この用語のポイント
簡単にいうと…
レシプロ圧縮機とは
吸入した気体を、ピストンで高圧状態に圧縮して、送り出してあげる
技術要素です。
詳しくいうと…
自転車タイヤの空気入れをイメージしてみましょう。
ギッコンギッコンと持ち手を上下させてピストン運動することで、
空気が圧縮してタイヤへと送り出されてゆきます。
これがコンプレッサーです。
ピストン&シリンダーの模式図で同じことを見てみましょう:
シリンダーの下部にて2つの穴が空いています。
左の穴が吸気弁、右の穴が排気弁です。
両者とも、ピストンの運動に連動して開閉します。
気体を吸い込んでみる
まず、ピストンが上に引かれます:
すると、シリンダー内部の圧力変化により、
左の吸気弁が開き、右の排気弁が閉じます。
同じ理由で、吸気弁からはさらに、気体(空気や冷媒)が
シリンダー内部へ入ってきます。
気体を圧縮してみる
次に、このピストンを下に押し下げてみましょう:
左の吸気弁は、圧力の変化で穴を閉じます。
右の排気弁は、まだ閉じたままですね。つまり密閉状態です。
シリンダー内部の気体は、体積が小さくなるため、
圧力と温度が増します。
$$\frac{圧力(P)×体積(V)}{温度(T)} = k(一定の数)$$
ただしコンプレッサーは、断熱圧縮(外部と熱の出入りがない)を行なうため、ピストンで押された運動エネルギーは、圧力と熱それぞれのエネルギーへ転化されます。つまり圧力・体積・温度は、どれが一定ということもなくすべて変化します。
これが、もし断熱されてなかったら、シリンダー内の熱は外部へ放出されるので、内部温度は(とりあえず)一定とみなせます。
気体を送り出してみる
ここから、さらにピストンを下へ押し込んでみましょう:
すると、右の排気弁がやっと開きました。
この穴から、高圧状態になった気体が送り出されてゆきます。
以上が、コンプレッサーが気体を加圧する仕組みです。
単純な加圧だけでなく、
パイプ内で気体を送り出すポンプの役割も同時に果たすことがわかりますね。
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空圧技術全般に興味のある方向けになります。
つまり…
レシプロ圧縮機とは
気体をピストンで高圧・高温状態にして送り出す
技術要素ということです。
シリンダー内の圧力変化に応じて、2つの弁が開いたり閉じたりする工夫は巧妙じゃな!
歴史のツボっぽくいうと…
1680年 オランダのホイヘンスが、ピストンとシリンダーを利用した熱機関を考案。
<参考文献>(2018/8/15 visited)
http://www.wikiwand.com/ja/圧縮機