簡単にいうと…
磁器とは
磁場を発生させる物質ないしもっぱら磁場を利用する装置
という技術要素・個体の総称です。
詳しくいうと…
磁力のある風景
磁性についての最初期の記述は、古代ギリシャの哲学者タレスが磁性を初めて語った、とするアリストテレスの書物です。
その時代以降、磁性に対する関心は古代中国で育まれました。古代中国では風水が広く信仰されており、そんな吉兆と関わりのある東西南北を示してくれる、磁石の性質がいくつか記述されています。こうしたこだわりから古代中国で方位磁針(コンパス)が生まれ、次いで航海術の次元で取り入れられて、そうして方位を自在に知るようになった船乗りたちが遠くの大陸へ行き交うようになりました。
17世紀初頭になって、イギリスの医師ウィリアム・ギルバートがその磁性研究を出版することで、地球自体が磁性を持っていて方位磁針が南北を示す理由が明らかにされました。ただし今日のわたしたちは、もはやコンパスよりも、GPS(全地球測位システム)衛星やジャイロスコープによって主に方位を知るようになっていますね。
他方、磁性に関する関心は、方位を離れ、電気の分野と合流するようになります。19世紀にアンペール、ガウス、ファラデー、マクスウェルらの研究によって、電気と磁気の密接な関係が発見されます。
以降、材料工学の分野では、発電機やモーターなどに不可欠な磁石の開発が進みます。また、磁化された向きが電子情報に変換可能であることが明らかになると、カセットテープやビデオテープ、ハードディスクといった記録媒体にも磁性の技術が活用されるようになりました。
こうした、地球や電気に深く関わりのある磁器について、以下で見てゆきましょう。
磁器の種類
磁器は、磁性を有する物体そのものか、あるいは磁性を利用する技術物であるかに応じて、主に以下のように分類可能です:
①磁石
②磁性体
ひとつひとつ概覧してゆきます。
磁石
磁石とは、磁性を帯びた物体そのものであるタイプの磁器です。
永久磁石と電磁石があります。
磁性器
磁性器は、磁気を利用した技術物というタイプの磁器です。
方位磁針(コンパス)をはじめ、ハードディスクドライブ(HDD)やMRI(磁気共鳴画像)装置などがあります。
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つまり…
磁器とは
磁場を発生させる物質ないしもっぱら磁場を利用する装置
という技術要素・個体の総称なわけです。
つまり、その研究・応用の最初期には、風水→航海という異なる次元を跨いだ線に沿っておったんじゃな。呪術的世界観は、世界を説明するその体系内に近代的な科学技術の萌芽をどこかしら含んでいる、という誰かの言った言葉を思い出すわぃ。
それに今日では、逆に、魔法のような科学技術を包含する新たな呪術的世界観、世界との絆を再発明する必要に、もしかしたらわしらは迫られておるのかものぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
【磁石】
- 紀元前4世紀磁石への言及①古代ギリシャの哲学者プラトンが、著書『イオン』において磁性を帯びた「マグネシア(現トルコ西部)の石」について言及する
- 紀元前3世紀磁石への言及②古代中国の書物『呂氏春秋』において、鉄を引き寄せる「慈石」について言及される
- 1600年磁力の研究イギリスの医師・物理学者ウィリアム・ギルバートが、『磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理』を出版、その後の電磁気学や電気工学に大きな影響を与える
- 1917年KS鋼の発明日本の物理学者 本田光太郎らが、KS鋼を発明する
- 1937年フェライト磁石の発明日本の化学者 加藤与五郎、武井武が、フェライト磁石を発明する
- 1982年ネオジム磁石の発明日本・住友特殊金属社(現 日立金属NEOMAX社)の佐川眞人が、ネオジム磁石を発明する
【磁性器】
- 1965年
<参考文献>(2019/09/09 visited)