#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

永久磁石

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簡単にいうと…

永久磁石とは

 外部からの電磁場供給なしに、長期にわたり双極性の磁場を発生させる物質

という技術要素です。

詳しくいうと…

N(北)/S(南)と刻印された磁石があれば、それは永久磁石です。

棒磁石やコンパス(方位磁石)のほか、金属に引っ付くマグネット、モーターや発電機などに広く利用されています。

作り方と仕組み

ここでは一般的なフェライト磁石の作り方を見てみましょう。

①まず、磁石の原料として、酸化鉄にバリウムやストロンチウムなどを加えた化合物(フェライト)を、微粒子状にこなごなに砕きます。

②これらフェライト粒子を思うままの形に成形して、融点より低い温度でさらに焼き固めます(焼結)。

 

この成形・焼結された段階ではまだ、フェライト結晶内の磁界はバラバラで定まっていません。磁壁で区切られた磁区(磁界の最小区域)があちこちで違う方向を向いています。

磁石の磁力はそもそも、原子内の電子の回転により生じています(電子スピン)。巻かれたコイルに電流を流すと磁界が生じるように、電子のこの自転運動によっても磁界が生じているわけです。

多くの原子では、逆方向同士の電子スピンのペアによって磁界は打ち消されていますが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性体と呼ばれる一部の原子は、電子スピンのペアが不均衡なため磁界を生じます。

③この成形・焼結されたフェライトのそばで、コイルを張りめぐらせて電流を流します。すると、コイル内で生じる磁界に影響されて、それまでフェライト内で不均一だった磁区内の方向が揃えられ、フェライト全体の磁気方向が定着されます(着磁)。

 これで永久磁石の完成です!

種類

永久磁石の主な種類には以下のものがあります:

 

 ・フェライト磁石

  …現在主流の磁石。軽量で錆に強く、使い勝手が良い。

 ・ネオジム磁石

  …少量でも高磁力をもつため、スマートフォンやハードディスクなど小型精密機器にも搭載可能。

 ・サマリウムコバルト磁石

  …耐熱性があるため、高温環境で用いられるセンサーなどにも利用される。

 ・アルニコ磁石

  …耐久性・耐熱性があり、計器類などで利用される。

 

 

以上のように永久磁石は、化合物を成形・焼結・着磁させることで、全体の磁気方向が定着させられた物体です。この工程を踏むことで今日も、部屋の壁に引っ付いているマグネットや、家電内のモーター、発電所の発電器などを動かす磁界を発しているのでした。

 

・永久磁石とは 外部からの電磁場供給なしに、長期にわたり双極性の磁場を発生させる物質だよ
・成形、焼結、着磁などの工程によって磁界を安定化させることで作られるよ
 

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つまり…

永久磁石とは

 外部からの電磁場供給なしに、長期にわたり双極性の磁場を発生させる物質

という技術要素なわけです。

 

磁石は始めから磁石じゃと思っとったが、成形や着磁といった工程があるんじゃのぉ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 紀元前4世紀
    磁石への言及①
    古代ギリシャの哲学者プラトンが、著書『イオン』において磁性を帯びた「マグネシア(現トルコ西部)の石」について言及する

  • 紀元前3世紀
    磁石への言及②
    古代中国の書物『呂氏春秋』において、鉄を引き寄せる「慈石」について言及される

  • 1600年
    磁力の研究
    イギリスの医師・物理学者ウィリアム・ギルバートが、『磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理』を出版、その後の電磁気学や電気工学に大きな影響を与える

  • 1917年
    KS鋼の発明
    日本の物理学者 本田光太郎らが、KS鋼を発明する

  • 1937年
    フェライト磁石の発明
    日本の化学者 加藤与五郎、武井武が、フェライト磁石を発明する

  • 1982年
    ネオジム磁石の発明
    日本・住友特殊金属社(現 日立金属NEOMAX社)の佐川眞人が、ネオジム磁石を発明する

 

 

<参考文献>(2019/09/08 visited)

磁石 - Wikipedia
永久磁石 - Wikipedia
フェライト磁石 - Wikipedia
強磁性 - Wikipedia
フェライト (磁性材料) - Wikipedia
プラトン - Wikipedia
ウィリアム・ギルバート (物理学者) - Wikipedia
第4回 常識破りの新工法から生まれた積層チップインダクタ
No.52 マグネットの着磁と消磁
磁石ナビ | 種類によって変わる磁石の特徴とその用途について | 磁石のお話
磁石は成り立ちによって「フェライト磁石」...
測量家…マグネシアの石 | 江戸百 東京
紀元前7世紀頃、小アジアの西部(現トルコ共和国西部) にマグネシアという町がありました。 そこでは磁性を帯びた不思議な石が産出され、 人々はその石のことを「マグネシアの石」と呼んでいました。 その後、2000年近くを経て、ヨーロッパでは、 その石を羅針盤(コンパス)として使用するようになり、 遠く日本にも伝来され、地図...
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