この用語のポイント
簡単にいうと…
ライターとは
小規模な火をつける装置
という技術要素です。
フリント式・電子式・内燃式などの機構がありますが、
ここではフリント式について紹介します。
詳しくいうと…
フリント式ライターは、フリント(発火石)と総称される金属を、ヤスリで擦り、火花を起こして火を灯す発火器です。
フリントは、バネで下からヤスリの方へ押し付けられているため、ヤスリを回転させると簡単に火花が散ります。
他方、オイル(灯油・ナフサ・ベンジン等)や液化ガス(ブタン等)は、芯(ウィック)の合間を毛細管現象にしたがい上昇しながらこの芯を浸してゆきます。
ヤスリとフリントの摩擦によって散った火花が、この燃料に浸された芯に当たることで着火し、火が灯るというわけです。
…細い管のなかを液体が上昇する物理現象。アインシュタインの最初の論文(1901年)もこの現象に関するものでした。
なお、使い捨てライター(ガスライター)の場合は、燃料を上昇させるために上記のような芯(ウィック)は使わず、気化した燃料を上方噴射するボタンを、ヤスリと併せて押下しています。
ここで紹介したフリント式ライターのほかに、圧電素子の押下による火花放電をガスに引火させる電子式ライターや、ガス/空気の混合気体を火花放電で引火させる内燃式ライターなどもあります。
以上のようにライターは、火打ち石を両手でカチカチいわせる代わりに、親指ひとつで、最小の摩擦の力で引火させる機構を備えており、今日も蝋燭や煙草の火を灯すのに用いられているわけです。
さらに知りたいなら…
つまり…
ライターとは
摩擦による火花などで、小規模な火をつける装置
という技術要素なわけです。
昔は使い捨てライターといえば、このフリント式ばかりじゃったが、あれは親指の皮が痛むんじゃ。
いまではすっかり電子式の、ボタンひとつ押せば済むライターが増えたのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 17世紀フリント式銃の発明ヨーロッパでフリントロック式のマスケット銃が発明される。
- 1772年フリント式点火器の発明
日本の発明家平賀源内が、
フリントロック式銃の点火装置に似た、刻み煙草用点火器を発明する。
- 1903年フリント石の改良
オーストリアの化学者カール・ヴェルスバッハが
セリウム70%鉄30%の高効率フリント石(フェロセリウム)の特許を取得する。
- 1913年フリント式ライターの販売アメリカのロンソン社が、現代のライターの原形となるものを販売する。
- 1933年オイルライターの販売
アメリカのジョージ・ブレイスデル社がオイルライター(ジッポー)を販売する。
<参考文献>(2019/03/03 visited)