簡単にいうと…
映像芸術とは
美感的意義をもつ物事のうち、映像によって視覚表現を行なう物事
という制作物です。
詳しくいうと…
映像作品とは?
ディスプレイの向こうでは、アクション俳優がバッタバッタとマフィアたちをやっつけているところです。その身体運動は、振付師によってあらかじめ計算された軌跡を描き、また経過に応じて複数カメラの異なる角度から次々と映し出されてゆきます。
基本的に、映像芸術は、映画が代表格とされます。つまり身体運動の集合からなる演劇を、複数アングルからカメラ撮影し、編集・複製・上映する映画の手法が、映像芸術の手法だというわけです(テレビドラマも同様の手法を用います)。
他方、20世紀末以降は、アニメーションが台頭してきました。
アニメでも、実写か絵かというちがいはあれど、映画のようなカメラアングルは意識されます。ただし制作手法は映画とは全く異なり、とにかく大量のセル画や3D画を差分をつけつつ作られ、それらを連続でコマ送りすることで動画としてキャラクターを動かしています。
また、こちらは現在開発中ですが、3D空間への没入(バーチャル・リアリティ)ないし投影(空中投影ディスプレイ)による映像表現も、映画ともアニメともちがう第三の分野を生み出すのではないかと期待されます。
映像の芸術とは?
映画もアニメも、観ているだけで面白いものです。
その面白さ、つまり映像の基本機能として、たとえば以下の観点があります:
・ドラマ性
…これは小説や演劇の映像ver.ですね。史実の再現の場合もあります。
・メッセージ性
…反戦映画や社会問題を扱う映画など。
・エンタテイメント性
…ゴジラがビルを破壊したり、孤島のひとびとを恐怖のどん底に突き落としたり。
ただ、いまは娯楽映画や娯楽アニメがほとんどを占めており、「映像が芸術だ」と言われると「?」と感じてしまうひとも多いのではないでしょうか。
映像の美感には、たとえば以下の観点があるかと思います:
・構成美
…カメラ内の物や人、建物が織りなす線や色の調和。
・情動美
…登場人物の情動と理性とのせめぎ合いからもたらされる迫真の演技。
・カタルシス
…登場人物のトラウマやコンプレックスの提示と解消。
以上のように映像芸術は、登場人物たちの運動や会話のシーンを連続させることで、日常や非日常、あるいは人間の奥深さを表現し、今日もわたしたちに快をもたらしてくれるのでした。
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つまり…
映像芸術とは
美感的意義をもつ物事のうち、映像によって視覚表現を行なう物事
という制作物なわけです。
わしはふだん映画はほとんど見ないんじゃが、構成美ということでは『去年マリエンバートで』、情動美ということでは『晩秋』、カタルシス、というより人格の奥深さの表現ということでは『ファイト・クラブ』が印象に残っておるのう。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1895年世界初の映画フランスの発明家リュミエール兄弟が、世界初の実写映画『工場の出口』を公開する
<参考文献>(2020/05/09 visited)