交流発電機

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簡単にいうと…

交流発電機とは

 運動エネルギーを電気エネルギー(交流電流)へ変換する

技術個体です。

ジェネレータ、オルタネータとも呼ばれ、発電所のほか乗り物などにも設置されています。

交流発電機の方式として同期式と誘導式がありますが、

ここでは代表的な三相同期発電機をわかりやすく説明します。

詳しくいうと…

交流発電機は、軸に回転運動を加えると交流電流が生成される装置です。

中身を覗いてみましょう。

 

 

構造と仕組み

左図は交流発電機の断面図です。

回路に接続された複数のコイル(固定子)が周囲を取り巻き、その中央では軸に接続された磁石(回転子)が回転します。

 

 

 

 

磁石が回転して近くをコイルを通り過ぎる際、電磁誘導の起電によりコイルの線上に電流が生じます。

こうして磁石の回転運動エネルギーから電気エネルギーへと変換しています。

 

 

 

電磁誘導は、磁石を近づけたり遠ざけたりすることでコイルの銅線などに電流が流れる現象で、1831年に物理学者マイケル・ファラデーが発見しました。
 

電流には周波数という波の振幅があります。3つのコイルのペアに対して磁石が近づいたり遠ざかったりするため、それぞれのコイルに走る電流の周波数のタイミングは異なります。

こうして3種類の異なるタイミングの電流がセットになったものを、三相交流電流と呼びます。

 

三相交流電流は、単相の交流電流と比べて輸送効率などが良く、日本の送配電網では最も一般的なタイプの電流です。

 

以上のように交流発電機は、入力された回転運動によって軸と磁石を回転させることで、複数のコイルに電磁誘導を生じさせて、交流の電流を出力します。

発電所では、この交流発電機の軸にさまざまな回転運動体が接続されます。蒸気エンジン(火力・原子力)や水車(水力)、風車(風力)など。

それによって交流発電機は、わたしたちが今日過ごす部屋やパソコンの電気を供給し、あるいは車や電車のブレーキ時に余剰回転運動を蓄電に振り向けたりして、現代の電気生活を支えているのでした。

発電機は運動エネルギー→電気エネルギーへ変換しますが、この発電機に電気エネルギーを流してあげると、逆の仕組みで軸の回転運動が得られます。これが電気モーターの仕組みで、下記の交流モーターも参照ください:

 

・交流発電機は、運動エネルギーを電気エネルギー(交流電流)へ換えるよ
・磁石を回転させて、コイルに電磁誘導の電流を生じさせるよ
・3つの異なる周波数の電流がセットになって、三相交流電流が生まれるよ
 

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つまり…

交流発電機とは

 運動エネルギーで磁石を回転させ、電磁誘導の仕組みで電気エネルギー(交流電流)へ変換する

技術個体なわけです。

 

現代の送配電網はだいたい交流電流対応じゃから、送配電網と接続された発電機も直流式よりかは交流式が主流じゃよ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1831年
    電磁誘導の発見と発電機の発明
    イギリスの物理学者マイケル・ファラデーが電磁誘導の法則を発見、翌年に同法則を利用した電磁式発電機(ファラデーの円盤)を発明する。

 

 

<参考文献>(2019/08/22 visited)

発電機 - Wikipedia
同期発電機 - Wikipedia
オルタネーター - Wikipedia
電磁誘導 - Wikipedia
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