この用語のポイント
簡単にいうと…
蒸気エンジンとは
外燃機関の一種で、水蒸気の圧力や噴射速度を利用して、往復運動や回転運動を得る
技術個体の総称です。
詳しくいうと…
蒸気エンジンには、主にレシプロ型(往復動式)とタービン型(回転式)があります:
・レシプロ型蒸気エンジン
シリンダー内に蒸気を吸気/排気させることで、ピストン上下それぞれの圧力を変化させて、ピストンの往復運動(やフライホイールの回転運動)を得る仕組みです。
17~19世紀にかけて、排水ポンプや自動車、機関車や船舶の動力として広く利用されていましたが、より出力効率のすぐれた内燃機関の台頭により、現在ではほぼ実用に供されていません。
・タービン型蒸気エンジン
蒸気をタービン(羽根車)の翼へ勢いよく噴射することで、タービンの回転運動を得る蒸気エンジンです。
19世紀後半に開発されました。
一般に大型の装置群で構成され、発電機の動力として現在もガスタービンエンジンと並び広く用いられています。
さらに知りたいなら…
つまり…
蒸気エンジンとは
水蒸気の圧力や高速噴射を利用して、往復運動や回転運動を得る
技術個体の総称ということです。
鍋を沸騰させると、昔ながらの木製蓋がコトコト音を立てて震えるが、つまり蒸気の力とはそういうことじゃな?
歴史のツボっぽくいうと…
紀元1世紀頃 アレクサンドリアの工学者・数学者ヘロンが
蒸気の噴射を利用して回転する球について記述を残す。
1690年 フランスの物理学者ドニ・パパンが
蒸気の凝縮現象に伴う減圧を利用して大気圧によりピストンを上下動させる
機関を考案する。
1698年 イギリスの軍人・発明家トマス・セイヴァリが
蒸気の凝縮現象を利用した揚水ポンプを開発する。
1712年 イギリスの発明家トマス・ニューコメンが
鉱山の排水用として実用的な蒸気エンジンを製作する。
1769年 イギリスの技術者ジェームズ・ワットが
ニューコメンの蒸気エンジンの改良型を製作する。
1882年 スウェーデンのド・ラバルが衝動式タービンを開発する。
1884年 イギリスのパーソンズが反動式タービンを開発する。
1894年 パーソンズらがタービン型蒸気エンジンをはじめて 搭載した船(
タービニア号)を建造、1897年に皇太子らの前で疾駆させる。
<参考文献>(2018/09/17 visited)