#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

原動機

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この用語のポイント

・自然界のエネルギーを運動エネルギーへ変換するよ

簡単にいうと…

原動機とは

 自然界の様々なエネルギーを運動エネルギーへ変換する

技術個体の総称です。

英語ではprime moverと言われますが、これは人間-機械側からみたprime(第一)であって、自然界全体からすると、生々流転するエネルギー変換のいち過程にすぎません。

主に流体機械(水車風車)、熱機関(エンジン)、電動機(モーター)から構成されます。

詳しくいうと…

原動機のある生活

わたしたちが今日一日やってきたことを振り返ると、そこには多くの運動エネルギーが関わっています。

まず、朝目が覚めると目覚まし時計の運動が、ドライヤーのファンの回転運動や、電気シェーバーの往復運動が、そして何トンもの車や電車を動かす力が、わたしたちを運びます。

職場で、暑さ寒さを感じないのは空調ファンのおかげですし、2階の給湯室やトイレにも水が届くのはポンプのコンプレッサーのおかげです。また、空冷ファンが回転しなければ、仕事で使うパソコンはあっという間にオーバーヒートしてしまうでしょう。それにエレベーターやエスカレーターは、あんなにたくさんの人々を乗せて動いています。

仕事から帰宅すると、コンビニ弁当を回転させるレンジのターンテーブルや、洗濯物を洗ってくれる洗濯機の回転も、目につきます。誰かがわたしたちのために、手に汗かいて回してくれているわけではないのです。

 

こうしたあまりに多くの運動エネルギーは、元をたどれば風や水流、化石燃料ボイラーの蒸気、そして電気といった、自然界に内在するエネルギーが起源です。人間は、そんな自然界に働いている力をすこしばかり拝借して、家庭・職場・公共空間で、活動しやすいよう工夫して導入しています。

運動エネルギーを得るその工夫の名前は、原動機と呼ばれ、下図のように幅広いエネルギーを利用しています:

 

 

原動機の種類

原動機は、運動Eの源となる自然界の相に応じて、次の3つのタイプに分けることができます:

 

 ●地理・気候 ⇒ 流体機械(水車・風車)

 ●燃焼作用  ⇒ 熱機関(エンジン)

 ●電磁作用  ⇒ 電動機(モーター)

 

流体機械

流体機械とは、流体(液体=水、気体=風)の流れの圧力や運動を、羽根車によって受け止め、軸(シャフト)の回転運動Eへと変換するタイプの原動機です。

原動機のなかでは最も古く、紀元前の昔から各地方で働いています。

19世紀以降、流体力学の研究(とりわけプロペラ航空機の開発)が進む中で、高効率な羽根車の形状へと洗練されました。とくにこの近代的な水車・風車を差して、水力タービン風力タービンと呼ばれることがあります。

 

流体機械について、詳しくは下記記事を参照ください:

流体機械
流体機械は、液体・気体との間でエネルギー変換を行なう装置のことだよ

 

熱機関

熱機関とは、装置内部の爆発による高圧ガスや(内燃)、装置外部の燃焼による高圧蒸気の力で(外燃)、ピストンの往復運動やタービンの回転運動を得るタイプの原動機です。

18~19世紀に、炭鉱の排水ポンプや織機、自動車や蒸気機関車をはじめ、数多くの機械動力として実用化され、当時のヨーロッパ産業革命を主導しました。

20世紀には、二度の世界大戦を通して航空機の動力として研究が進み、ガスタービンをその構成要素とするジェットエンジンとして、今日の旅客機やヘリコプタの推進機関となっています。

 

熱機関について、詳しくは下記記事を参照ください:

熱機関(エンジン)
熱機関とは、熱による気体の体積変化や速度変化を利用して、運動エネルギーを得る仕組みの総称だよ

 

電動機

電動機は、電気と磁気にまつわる作用、たとえば電磁石や誘導起電、ローレンツ力などを利用して、磁界内で電磁石永久磁石を回転させるタイプの原動機です。

原動機のなかではもっとも新しく、19世紀に実用化されました。以降、送配電網の急速な整備と共に、大小問わず様々な電気製品や、電車などの主要動力となりました。

 

電動機について、詳しくは下記記事を参照ください:

電動機
電気モーターは、電気エネルギーから運動エネルギーへ変換する装置だよ

 

 

以上のように原動機は、水・風の流れ、燃焼作用、そして電磁作用から変換されたその運動エネルギーによって、それまで人力で行なっていたことを人手要らずにしてくれました。これらの工夫は、そのときどきの時代のひとびとの生活様式をかなりの程度変貌させてきたといえます。

 

・原動機は、自然界のエネルギーを、人間が利用しやすい運動エネルギーへと変換してくれる装置だよ
・具体的には流体機械、熱機関、電動機があって、それぞれにもたくさんの下位タイプが開発されているよ
・原動機はこれまで、それが変換する運動エネルギーの規模や使い勝手によって、人類の生活様式を変貌させてきたよ
 

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つまり…

原動機とは

 自然界の様々なエネルギーを運動エネルギーへ変換する

技術個体の総称というわけです。

 

目のくらむ思いじゃ、原動機が人類に対してなしてきたその影響力の大きさについて、真剣に思いめぐらしてみることは。

歴史のツボっぽくいうと…

流体機械

紀元前3世紀頃 エジプトでアルキメデスがスクリューポンプを考案したとされる。

紀元前2世紀頃 小アジアで動力機関としての開放型水車が発明されたといわれる。

紀元前36世紀頃 エジプトで灌漑用風車が用いられる。

中世以降  ヨーロッパで開放型水車が劇的に普及する。

      製粉用途のほか、工業用動力としても用いられはじめる。

10世紀頃  ペルシャで製粉用風車が建造され、

      その後十字軍やモンゴル帝国を介してヨーロッパや中国へ広まる。

1848年 フランスの技術者ジェームズ B.フランシスがフランシス水車を設計する。

1851年 イギリスの技術者ジョン・アポ―ドルが遠心ポンプを開発する。

1887年 イギリスのJ.ブライスが発電用風車を発明する。

 

熱機関

紀元1世紀頃 アレクサンドリアの工学者・数学者ヘロンが

       蒸気の噴射を利用して回転する球について記述を残す。

1680年 オランダのホイヘンスが、火薬を用いた

     ピストンと真空による熱機関の考えを発表する。

1690年 フランスの物理学者ドニ・パパンが

     蒸気の凝縮現象に伴う減圧を利用して大気圧によりピストンを上下動させる

     機関を考案する。

1712年 イギリスの発明家トマス・ニューコメンが

     鉱山の排水用として実用的な蒸気エンジンを製作する。

1769年 イギリスの技術者ジェームズ・ワットが

     ニューコメンの蒸気エンジンの改良型を製作する。

1860年 フランスのルノワールが、点火着火型の往復動2ストローク内燃機関を製造する。

1882年 スウェーデンのド・ラバルが衝動式タービンを開発する。

1884年 イギリスのパーソンズが反動式タービンを開発する。

1903年 アメリカのライト兄弟が、レシプロエンジン搭載プロペラ機(

     ライトフライヤー号)を開発、世界初の有人動力飛行を成功させたとされる。

1903年 ロシア帝国の物理学者・数学者ツィオルコフスキーが、

     液体燃料ロケットエンジンを構想する論文を発表する。

1926年 アメリカのロバート・ゴタートが

     はじめて液体燃料ロケットエンジンの飛行を成功させる。

1939年 ドイツのハインケル社が、世界初のターボジェットエンジン搭載の

     航空機He178を初飛行させる。

1950年代~ 航空以外の分野(戦艦、鉄道、自動車、発電など)で

      ガスタービンエンジンが利用されはじめる。

1960年代 ターボファンエンジンが開発される。

 

電動機

1832年 イギリスの科学者ウィリアム・スタージャンが、

     整流子式直流モーターを発明する。

1888年 オーストリア帝国生まれのニコラ・テスラが

     誘導モーター同期モーターの特許を取得する。

1934年 ドイツの技術者ヘルマン・ケンペルが

     磁器浮上鉄道にかんする特許を取得する。

 

<参考文献>(2018/12/23 visited)

原動機 - Wikipedia
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