この用語のポイント
簡単にいうと…
カメラとは
画像を撮影する装置
という技術要素です。
動画の撮影装置も含みますが、
ここでは狭義の、静止画像の撮影装置としてのカメラを説明します。
詳しくいうと…
カメラには、その仕組みに応じて大きく2種類があります。
歴史の長いフィルムカメラと
現在圧倒的に普及しているデジタルカメラです。
それぞれみてゆきましょう。
フィルムカメラ
フィルムカメラは、レンズ・絞り・シャッターなどの光学系と、フィルム(感光材)の化学系を通して主に撮影します。
まず、外界の光景がレンズによって鮮明にカメラ内部へ投射されます。絞り機構は取り入れる光量を調節し、シャッターは撮影する瞬間に開かれます。
こうして光信号がカメラ内部へ集光されると、フィルム上に塗られた乳剤内のハロゲン銀と呼ばれる物質が、光に反応して化学反応を起こします。
その後、現象液と呼ばれる化学液にフィルムをつけると、露光していた部分が色を持つ銀へ変化して、光景の光信号が再現されます(ネガ or ポジフィルムになる)。
最後にこのフィルムを、撮影時と同様にランプで照らして印画紙へプリントすると、写真ができます。
デジタルカメラ
デジタルカメラは、先述と同様の光学系と、イメージセンサ・処理回路などの電子系を通じて撮影します。
レンズ・絞り・シャッターを通じて集光された光景の光信号は、イメージセンサ(その中のフォトダイオート)によって光⇒電気へと変換されます。
…イメージセンサ内のフォトダイオードが光を電気へ変換する効果の名称。フォトダイオード内に光が照射されると、内部の電子が励起され、微弱な電流が生じる。太陽光発電パネルではこれを利用し、多くのフォトダイオードが並べられている。
以上のようにカメラは、光景の光信号を蓄積・複写する2つの方式(フィルムカメラの光⇒化学反応変換、デジタルカメラの光⇒電気信号変換)を駆使して、それまで空気のように存在していた光に痕跡を残させることができます。
これら光景の残像=写真によって、わたしたちは今日も、思い出をアルバムに綴じ、広告写真を眺め、証拠写真を得ることができるわけなのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
カメラとは
光景の光信号に化学的・電気的な痕跡を残させることで画像を撮影する装置
という技術要素なわけです。
つまり写真も、思い出も、反復のとあるパターンという点で似ておるの。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1021年カメラ・オブスキュラの記述イラクの科学者イブン・アル=ハイサムが『光学の書』で、孔・レンズを通して風景を内部のスクリーン上へ投影する装置カメラ・オブスキュラについて記述を残す。
- 1824年頃写真機の発明フランスの発明家ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスが、鉛と錫の合金板を用いた世界初の写真機を撮影する。
- 1836年実用的写真機の発明フランスの写真家ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールとニエプスが、銅板を銀で被覆し、感度を上げるためヨウ素蒸気に晒したプレートを用いて、実用的な写真機を発明する。
- 1888年一般向け写真機の販売アメリカの発明家ジョージ・イーストマンが、安価な写真機「No.1コダック」を販売する。
- 1975年デジタルカメラの発明イーストマン・コダック社の技術者スティーブ・サッソンが、世界初のデジタルカメラを発明する。
<参考文献>(2019/05/11 visited)