この用語のポイント
簡単にいうと…
調湿器とは
湿度を調節したり乾燥させたりする装置
という技術要素・個体の総称です。
調湿器のうち、とくに室内で用いられる加湿器・除湿器は湿度調和器とも呼ばれます。
詳しくいうと…
湿度のある風景
わたしたちの日常生活で、物体の湿度をコントロールする必要に迫られるよくある場面は、濡れた衣服や食器を乾かすときです。
そのために衣服や食器を、日干しにしたり乾燥機にかけたりしますね。
また、穀物や肉などの食糧を乾燥させて、保存期間を長持ちさせることもあります。
他方、逆に湿度を高めたい場合もあります。
たとえば冬場の部屋に加湿器を置いたり、スチームアイロンであらかじめ衣服に水分を付けてパリッとさせたい場合などです。
このように調湿器の乾かす/潤す技術は、物品を濡れた状態から救い出し、食糧を長持ちさせ、物体の形状を変化させやすくさせたり、といった多くの機能を備えているのです。
種類
調湿器の種類を見てゆきましょう。
乾かす技術
調湿器のうち、乾かす技術は、物体・空間から水分を抜くタイプです。
ヘアドライヤーやハンドドライヤー、衣類乾燥機、食器乾燥機、穀物乾燥機などのファンや電熱器を利用するもの、および除湿器が該当します。
潤す技術
調湿器のうち、潤す技術は、物体・空間へ水分を供給するタイプです。
加湿器、スプレーなどが該当します。
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つまり…
調湿器とは
湿度を調節したり乾燥させたりする装置
という技術要素・個体の総称なわけです。
あんまり関係ないんじゃが、魚の干物は美味いのぉ。たんに乾燥させて長持ちするという保存食の利点があるだけでなく、日干しにすることで身の内部で多くの化学反応が起こり、いわば太陽の熱で調理されているわけじゃな。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1890年シート型ヘアドライヤーフランスの美容師アレクサンダー・ゴッドフロイが
自身の美容院用にガスストーブ式シート型ヘアドライヤーを発明する。
- 1902年電気エアコンの製造アメリカのウィリス・キャリアが電気式エアコンを製作、印刷工場の温度・湿度を調整した。
- 1905年ニクロム線
アメリカの技術者アルバート・マーシュが
電気抵抗が大きく電熱器に利用可能なニクロム線を開発する。
- 1906年空気調和の概念登場
アメリカのクラマーが、織物工場内の加湿機に「エア・コンディショニング(空気調和)」と名付ける。(”water conditioning”という織物製造過程からの着想)
以降、”人間や製造物を囲む大気環境の調節”という発想が普及。
- 1911年ヘアドライヤーの特許アメリカの発明家ガブリエル・カザンジアンが
送風式ドライヤーの特許を取得する。
- 1915年頃ヘアドライヤーが一般販売
アメリカのNational Stamping & Electricworks社が
一般消費者向けのヘアードライヤーを販売。過熱・漏電等が問題化する。
- 1926年蒸気式加湿器の発明アメリカのマックス・カッツマンが、息子の病気治療のため、室内湿度を高めようとヤカンに火をかけていたところ爆発。これをキッカケに電気供給による蒸気式加湿器を開発、加湿器メーカーKaz社を創設する。
- 1928年フロンの発明
アメリカの化学者トマス・ミジリ―が、人体に無害な冷媒「フロン」をアンモニアの代替物として発明。