#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

原子炉

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   └原子炉
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簡単にいうと…

原子炉とは

 核分裂反応を制御しつつ熱を得る

技術環境です。

発電設備や戦艦、潜水艦などの動力として用いられています。

ここでは発電設備の原子炉(軽水型)を説明します。

詳しくいうと…

構造と仕組み

原子炉の熱によって蒸気タービンを回転させて発電する施設を、原子力発電所と呼びます。

 

主に、原子炉格納容器、その中の原子炉圧力容器(原子炉)燃料制御棒圧力抑制プールから構成されています。

 

 

 

仕組みとしてはまず、原子炉内の核分裂反応により強力なが生じます。この際、炉内へ注水されたは気化して蒸気へ変化されます。

その後、この蒸気が炉外の蒸気タービン発電機を回転させて発電します。

利用後の蒸気は、復水器内の海水パイプなどで冷やされて水へ戻り、再び炉内へと注水されてリサイクルされます。

 

核分裂反応を停止する際は、制御棒が下から格子状にせりあがってきて核燃料単位同士の間に割り込み、分裂の連鎖反応を引き起こす中性子の放出をキャッチし、分裂を止めることになります。

また圧力抑制プールは、万一原子炉内の配管が破損して高圧蒸気が格納容器内に充満した際に、蒸気をこのプールへ逃がして圧力を低下させる機能があります。また、原子炉を冷却する機能が失われた際に、非常用の冷却水を供給する役割も果たします。

なお、使用済みの核燃料は、日本では廃棄されずに再処理されることになりますが、原子力発電所の立地と同様、この核燃料の保管・再処理工場の立地についても、地元住民や自治体、国との間で大きな議論の対象になります。

 

 

以上のように原子力発電所内の原子炉は、核分裂反応の制御を行ない、そこから得られる強力な熱によって水を蒸気へ気化させ、蒸気タービンや発電機を回転させることで電気を得る仕組みになっています。

原子炉を搭載した戦艦や潜水艦(原子力艦、原子力潜水艦)では、①原子力発電所と同じように蒸気タービン/発電機を回して得た電気エネルギーでスクリュープロペラを推進するタイプと、②蒸気タービンの回転エネルギーで直接スクリュープロペラを推進するタイプ、があります。

 

・原子炉は、核分裂反応を利用して熱を得る設備だよ
・原子炉から得られた蒸気は、蒸気タービンを回転させたりその先の発電機を回転させて、動力や電気エネルギーを生成するよ
・発電所のほか、戦艦や潜水艦に搭載されているよ
 

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つまり…

原子炉とは

 核分裂反応を制御しつつ熱を得る

技術環境なわけです。

 

2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故はまだ記憶に新しいの。あのときは、燃料や制御棒などからなる炉心が融解し(メルトダウン)、さらに原子炉圧力容器の底も融解させて、原子炉格納容器の底にまで核燃料が漏出(メルトスルー)してしまったんじゃ。

さらに悪化していれば、格納容器をも破壊して完全に原子炉外へ核燃料が漏れ出てしまう(メルトアウト)というさらなる大惨事になるところじゃった。

わしも当時テレビやネットの前で事態の進捗に戦慄していたものじゃわぃ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1938年
    核分裂反応の発見
    ドイツの化学者オットー・ハーンと物理学者リーゼ・マイトナーが、中性子をあてたウラン原子核が分裂することを発見する。

  • 1942年
    最初の原子炉での実験
    イタリア生まれの物理学者エンリコ・フェルミが、移住先のアメリカで、世界最初の原子炉「シカゴ・パイル1号」を完成させ、原子核分裂の連鎖反応の制御に史上初めて成功する。

  • 1954年
    最初の原子力発電所
    ソビエト連邦(現・ロシア)のオブニンスク原子力発電所が、原子力発電所としては世界で初めて運転を開始する。

  • 1955年
    最初の原子力潜水艦
    アメリカで、世界最初の原子力潜水艦「ノーチラス」が初航行する。

  • 1960年
    最初の原子力空母
    アメリカで、世界最初の原子力空母「エンタープライズ」が進水する。

 

 

<参考文献>(2019/08/18 visited)

原子炉 - Wikipedia
原子力発電所 - Wikipedia
福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
使用済み核燃料 - Wikipedia
炉心溶融 - Wikipedia
エンリコ・フェルミ - Wikipedia
エンタープライズ (CVN-65) - Wikipedia
原子力潜水艦 - Wikipedia
原子炉水温度|原子力|東京電力
http://www.hitachi-hgne.co.jp/nuclear/product/abwr/reactor/index.html
原子力発電のしくみと安全性|中国電力
原子力発電の概要を紹介します。
サプレッションプールとは - コトバンク
デジタル大辞泉 - サプレッションプールの用語解説 - 原子炉格納容器の底部にある、大量の水を貯えた設備。格納容器内で配管が破損し、蒸気が発生して圧力が上昇した場合に、蒸気をこの設備に逃がして冷却し、圧力を下げる。また、原子炉を冷却する機能が失われた場合に、非常用の冷却水を供給す...
http://www.hitachi-hgne.co.jp/nuclear/product/abwr/reactor/controlrod/index.html
原子力開発の歴史 | 原子力開発と発電への利用
19世紀末から原子の構造や性質などを徐々に明らかにしてきた原子力開発の歴史について紹介します。
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