#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

変圧器

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簡単にいうと…

変圧器とは

 電気の電圧を上げたり下げたりする

技術要素です。

変成器、トランスとも呼ばれます。

詳しくいうと…

変圧器は、発電所の高圧電流を、家庭や工場向けに低圧化する際などに用いられます。

ここでは電柱の上によく見かけるバケツのような、柱上変圧器を例に説明します。

ただ、どの変圧器でも仕組みはだいたい同じです。

 

構造

左図は柱上変圧器の中身です。輪っか状の鉄心の左端には、発電所や変電所から伸びてきた高圧電流の走る電線コイルが、右端には、これから家庭や工場へ向かうことになるコイル/電線が張られています。

バケツの中は電気を周囲へ漏らさないよう油で満たされており、外周には熱を逃がす放熱フィンが取り付けられています。

 

仕組み①:片方のコイルに電流が流れると…

まず、左側の電線から高圧の電流が流れ、コイル上を走ります。

すると電磁誘導により、コイルが巻き付いている鉄心上にそのつど磁束(磁界)が生じます。

また、ほとんどの発電所は交流電流を送配電しています。そのため、電線/コイル上の電流および鉄心上の磁束は、その向きがつねに反転し続けます。

電磁誘導とは、電流が流れると磁束が、磁束が変動すると電流が、それぞれ生じる現象です。
電流の向きが反転する交流電流の特性については、下記の交流モーターの説明も参照ください:
交流モーター
交流モーターは、交流電流から回転運動エネルギーを得る仕組みだよ
 

仕組み②:もう片方のコイルに電流が流れて…

次に、鉄心磁束が反転し続けることで、同じく電磁誘導により、今度は低圧側のコイルに誘導電流が生じます。

この際、両端のコイルの巻き数の比にもとづき、誘導電流の電圧が元の電流から変化します。

左図の例では、左側のコイルが巻き数6、右側のコイルが巻き数3のため、$\frac{3}{6}=\frac{1}{2}$となり、電圧は$\frac{1}{2}$へと降圧されます。

 

仕組み③:電圧が変化する!

この電圧変化についてもうすこし具体的に見てみましょう。

たとえば、高圧側コイルとそこを流れてくる電気、および低圧側コイルの巻き数が左図の条件を取る場合について考えます。

このとき、低圧側コイル/電線に生じる電圧(V:ボルト)は、$\frac{1}{66}$となり、一般家庭でも使える100Vへと降圧されます。

この降圧の際、電流(A:アンペア)は逆に増えます。電力(W:ワット、V×A)自体は変圧されても基本的には変わらないため、電圧が下がると電流が増え、逆に上がると減ります。

ちなみに上記の想定(低圧側コイル巻き数:1)は説明の便宜上のものです。巻き数がたった1巻きしかないコイルなど実際使われているのでしょうか…?

 

このようにして変圧器は、2つのコイルと1つの鉄心を用いて電磁誘導を2度行なうことで(電流A→(電磁誘導)→磁束変化→(電磁誘導)→電流B)、両端コイルの巻き数に応じて昇圧したり降圧したりできます。

そして発電所→変電所(変圧器)→家庭・工場という、発電地と消費地の電圧が大きく異なる現代の商用電源網において、変圧器は両者の仲介をなす無くてはならない重要な働きを担っているのでした。

変圧器にかんする上記の仕組みについて、以下の解説動画も参照ください:

 

・変圧器は、電磁誘導を利用して電気の電圧を上げたり下げたりするよ
・鉄心両端のコイルの巻き数の比に応じて、電圧も昇圧されたり降圧されたりするよ
・電圧の変化は、同じ電気の電流の変化と逆比例するよ
 

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つまり…

変圧器とは

 電磁誘導を利用して、電気の電圧を上げたり下げたりする

技術要素なわけです。

 

うむ、バケツにしか見えんのぉ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1831年
    電磁誘導の発見
    イギリスの物理学者マイケル・ファラデーが、電磁誘導の法則を発見する

  • 1836年
    変圧器の発明
    アイルランドの牧師ニコラス・カランが一次コイルと二次コイルからなる誘導コイルを発明し、変圧器として広く用いられる

  • 1880年代
    交流電流のメジャー化
    アメリカの電力事業黎明期に、交流電流の電力システムが主流となる

    発電所-電力消費地の全体を同一電圧で設計するエジソン含めた直流支持者に対して、高圧輸送による低い送電損失を掲げるテスラ含めた交流支持者が勝つことにより、高圧輸送後の降圧の必要性から、その後に変圧器の開発が進んでゆく

  • 1885年
    効率的な変圧器の発明
    ブダペストの技術者ジペルノウスキー、ブラーティおよびデーリが、環状鉄心を含むZBD式の鉄心モデルを開発する

    同年、アメリカの実業家ジョージ・ウェスティングハウスが、ZBD式鉄心モデルの特許を購入、商用化させる

 

 

<参考文献>(2019/08/23 visited)

変圧器 - Wikipedia
電流戦争 - Wikipedia
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