この用語のポイント
簡単にいうと…
フロートスイッチとは
浮力によって水面に浮きながら、水位に応じて弁や電気スイッチの切替を行なう
技術要素です。
水洗式便器の貯水タンクや電気給湯器、工場の液体タンクなどの水位&給水管理に用いられています。
詳しくいうと…
トイレで水を流していると、便座後方のタンクはそのうち空っぽになるはずですが、いつの間にか給水されていつも満水状態です。なぜでしょうか?
答えは、フロートスイッチが「水がないよ!」と給水弁に知らせてくれるためです。給水弁は、フロートスイッチからの知らせに基づき、水を継ぎ足します。
種類と仕組み
そんなフロートスイッチには、ボールタップ式と電気スイッチ式、2つの種類があります。
ボールタップ式
ボールタップ式では、水位の変動に応じてフロート(浮き)に連動しているフロート弁が開/閉切替されます。
タンク内の水・お湯が外部へ流れ、タンク内の水位が下がると、水面に浮くフロートの位置も同時に下がります。
すると、フロート弁がつられて可動し、タンク内へ給水・給湯される仕組みです。
電気スイッチ式
電気スイッチ式では、水位の変動に応じてフロート(浮き)内の電気スイッチ(リードスイッチ)がON/OFF切替されます。
切替の仕組みですが、フロートの向きに応じて可動するパーツが内部の磁石に作用して、特定の向きにあるときだけ磁気作用を発します。
この磁気作用により磁化された(N極/S極化された)リードスイッチ内の端子同士が、ひっつくことで、「ON」の電気信号を地上の装置に伝えることができます。
水位が下降すると、フロートの向きが反転して、磁気作用がなくなり、リードスイッチは「OFF」状態に変化します。
このような電気信号は、たとえば事務所のパソコンやWebサーバへ送信され、モニターやブラウザから水位情報を見るなどできます。
こうして、ある水位に達したか(「ON」)、あるいはある水位まで下がったか(「OFF」)を検知することで、パイプ内やタンク内の液体水位が外部から把握できるわけです。
以上のようにフロートスイッチは、浮力によって水面にぷかぷか浮かぶフロートが、水位を反映していることを利用して、水位に応じた弁の開閉や外部からの把握を可能にしているのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
フロートスイッチとは
浮力によって水面に浮きながら、水位に応じて弁や電気スイッチの切替を行なう
という技術要素なわけです。
毎日使っているトイレタンクの給水の仕組みはこうなっておったのか。それすら知らんかったわしって…。
歴史のツボっぽくいうと…
1790年 スペイン帝国(現メキシコ)の神父アントニオ・アルサテ・イ・ラミレスが
ボールタップ式フロートスイッチを発明する。
1797年 イギリスの実業家エドモンド・カートライトが
蒸気機関用ボールタップ式フロートスイッチの特許を取得する。
<参考文献>