ポンプ逆転水車

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この用語のポイント

・ポンプを逆回転させて発電するタイプの水車だよ

簡単にいうと…

ポンプ逆転水車とは

 ポンプを使って、高所→低所への水落差によってポンプ羽根車を逆回転させ、発電する水車

という技術個体です。

ポンプ自体は既製品が使え、建屋なども必要ないため、比較的低コストです。

詳しくいうと…

通常の揚水ポンプも、ポンプ逆転水車も、右図の通りだいたい同じ構造をしています。

水が流れて羽根車(インペラー)が回り、それが発電機or電気モーター側の回転運動と連動している点も同じです。

ではポンプ逆転水車は、通常のポンプと何が異なるのでしょうか?

 

通常のポンプの仕組み

まず、通常のポンプだと、電気モーターによって電気を運動へ変換し、羽根車(インペラー)を回します。

この羽根車の遠心力によって圧力を与え続けることで、水流を、低所→高所へと揚げることができます(揚水)。

これにより、農業用水路から田んぼへ水を引いたり、洪水時に堤防の外側(住宅地側)から河川へと水を戻したりできます。

 

ポンプ逆転水車の仕組み

ポンプ逆転水車は、通常ポンプとは逆に働きます。

まず、水流が高所→低所へと水管内を流れている、という環境条件があるとします。

ダムでも農業用水路でも上水道管でも、何でもいいです。

ここに、通常ポンプとはブレードの向きだけが異なる羽根車(インペラー)を設置すると、その羽根車(インペラー)は通常揚水時とは逆方向へ回転します。

この逆回転の運動エネルギーは、(通常ポンプだと電気モーターだった)発電機へ送られ、電気→運動エネルギーへの変換を行なう電気モーターとは逆に、運動→電気エネルギーへの変換を行なう発電機の機能を果たします。回転の向きに応じて、モーターとしての機能と、発電機としての機能を兼ね備えていたわけです。

こうしてポンプ逆転水車は、既存の水流から回転運動を得て、発電することができます。

 

なおこのポンプ逆転水車は、落差6~80m、流量0.02~1m/sという中小規模の水流環境に適用されます。

 

 

・ポンプ逆転水車は、通常のポンプを、ブレードの向きだけ変えた水車だよ。
・高所→低所への水流によって、羽根車(インペラー)が通常とは逆回転するよ。
・電気モーターは、この逆回転時には発電機としての機能を果たすよ。
 

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つまり…

ポンプ逆転水車とは

 ポンプを使って、高所→低所への水落差によってポンプ羽根車を(揚水時に対して)逆回転させ、発電する水車

という技術個体なわけです。

 

電気の力で揚水するポンプと、水流の水圧で発電する水車。一見するとは別物じゃが、電気⇔運動を変換する、という仕組みには対称性があり、ほとんど同じ機械構造を転用できたわけじゃな。

歴史のツボっぽくいうと…

1851年 イギリスの技術者ジョン・アポ―ドルが遠心ポンプを開発する。

 

 

<参考文献>(2018/11/25 visited)

http://www.ebd.co.jp/product/micro.html
お探しのページを見つけることができませんでした。- 熊本県ホームページ
Centrifugal pump - Wikipedia

https://www.torishima.co.jp/jp/pdf/products/syosuiryoku.pdf

http://www.city.itoigawa.lg.jp/secure/16567/suiryoku_h2.pdf

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