簡単にいうと…
衣服とは
体表面に着用する物
という制作物です。
典型的には布が用いられ、体の形に合わせて縫合されています。
詳しくいうと…
衣服の起源
240万年前からはじまるホモ属の歴史のなかで、私たちの体毛は徐々に退化してゆき、肌が露出するようになりました。
平時では平気でも、気候の寒冷化や、寒冷地への移住の際、毛皮で体を覆って寒さをしのぎたくなることもあったでしょう。そんな被服の起源にはまだ不明点が多いですが、一説によると、人類の共通祖先がアフリカから世界各地へ移住しはじめた7万年前のことでは、と述べる研究者もいます。
そして8000年~3000年前には、各地の古代国家で織物(布)が織られるようになり、現在の衣服の形態へと落ち着きました。
衣服の機能
衣服の機能として、以下の物理的&社会的機能があります:
・体の温湿度調整
・体の保護
・体の秘匿
・装飾
・性別、身分、職業等の標示
衣服の制作
衣服は主に下記プロセスを通じて制作されます:
②布地選び
③裁断
④縫合
衣服の種類
衣服には、大きく分けて洋服と民族服があります。
洋服は、当初はヨーロッパで、次いで19世紀末以降には世界中へ普及した衣服です。スーツやTシャツ&ジーンズなど、今日私たちが着ているほとんどすべては洋服にカテゴライズされます。
民族服は、洋服のグローバル化以前に、各地域で着用されていたローカル衣服です。日本の着物、中国の漢服、朝鮮半島の韓服(女性用のチマチョゴリが有名)、ベトナムのアオザイ、南アメリカのポンチョなど、それぞれの地域ごとに特色がありますよね。いまでも各地域の礼服として用いられています。
以上のように衣服は、型紙と布地から裁断・縫合されて作り出され、今日も私たちの体を暖めたり守ったり、社会的位置を標示したりしてくれているのでした。
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衣服とは何か、という機能の話からはじまり、衣服の空間方位の考え方、人体のプロポーションと衣服制作などについて、衣服の基本的な考え方を解説する1冊です。
目次はこちらのサイトから参照できます。
つまり…
衣服とは
体表面に着用し、温湿度調整や保護、社会的位置の表示などとして機能する物
という制作物なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 紀元前26世紀頃漢服の登場黄帝の時代以降、漢民族の礼服として漢服が定着、以降17世紀の明王朝の衰退まで着用されつづける
- 3~7世紀頃和服の黎明期日本の古墳時代に、豪族たちが袴や喪(ロングスカート)を身に着ける。
- 18世紀現代洋服の登場フランス革命時、革命の推進力となった社会階層が、貴族たちの半ズボン&膝丈コート(キュロット)ではなく長ズボン&腰丈ジャケット(サン・キュロット)を着用する
<参考文献>(2020/04/30 visited)