この用語のポイント
簡単にいうと…
クロスフロー水車とは
水流の圧力&速度の勢いで羽根車へ回転運動エネルギーを与える水車
という技術個体です。
中小規模環境や、流量変化の多い環境に適します。
圧力(反動水車)と速度(衝動水車)、両方を利用するクロスフロー水車ですが、いちおう衝動水車にカテゴライズされます。
詳しくいうと…
クロスフロー水車も、他の衝動水車や反動水車とおなじように、ダムや河川など落差のある水流の麓付近に設置されます。
くわしくみてゆきましょう。
構造と仕組み
クロスフロー水車の構造は比較的シンプルです。
ガイドベーン(案内羽根)は、水流を二手に分けます。それぞれの水流は、別のコースをたどって同じランナ(羽根車)を通過します。
この流れをもうすこしくわしく追ってみましょう。
まず、落下して勢いづいた水流を、ガイドベーン(案内羽根)が二手の方向に分けます。
これにより、ガイドベーンの上下は、それぞれ衝動水車にとってのノズルの役割を果たします。つまり、水流の速度を増加させて、ランナ(羽根車)へと向かわせます。
ランナは、2つの流れそれぞれによって回転するよう羽根の角度が調節してあります。また、ランナに入り、そこから出る際にも、水流はランナの羽根を圧します。これにより、ランナに対する水流にとっての2つの入り口と1つの出口、どちらの通過時にも、ランナに回転運動エネルギーが働きます。一粒で二度美味しいというやつです。
ランナの回転は、発電機へと伝えられて、こうしてわたしたちがいま使っているパソコンやスマートフォンの動力源となっているわけです。
このクロスフロー水車は、流量0.1~8m3、落差5~200mという、中小規模環境・高落差の地形で高効率を発揮します。
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水車は人類史のなかで大きな役目を果たしつづけてきました。
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つまり…
クロスフロー水車とは
水流の圧力&速度の勢いで、通過する前でも後でも、羽根車へ回転運動エネルギーを与える水車
という技術個体というわけです。
水車の軸を、水流と直交するように配置することで、水流が水車内に入るときにも出るときにも、水流のその勢いを回転へと換えることができているわけじゃな。
歴史のツボっぽくいうと…
1903年 オーストリアの工学者アンソニー・ミシェルが
クロスフロー水車の特許を取得する。
<参考文献>(2018/12/04 visited)