簡単にいうと…
電線とは
電気を通して輸送する金属線
という技術要素です。
広義にはケーブルやコードも含まれますが、
ここでは送配電用の電線について説明します。
詳しくいうと…
街中には電柱が、山のほうでは鉄塔の立っている姿をよく見かけますね。
電線はそれら支持体にぶら下がりながら、発電所→変電所→家庭・工場・ビルまでの、何十kmもの距離を旅しながら電気をわたしたちのもとへと届けてくれています。
「発電所」から「変電所」までの高電圧輸送には送電線が、
「変電所」から「家庭など」への低電圧輸送には配電線が、それぞれ用いられています。
送電線向けには、裸電線と呼ばれる、触れると感電しますが線上のどの箇所からでも電力を取り出すことの可能な電線が用いられます。ここには275,000~500,000Vの高圧電流が流れます。
配電線向けには、絶縁電線と呼ばれる、触れても被覆層によって感電しませんが電力取出箇所の限定される電線が用いられます。ここには6,600Vの電流が流れており、その先々で、引き込み線経由にて100V/200Vの電流が家庭/小規模工場などへ送られます。
電線部分の素材としてはどちらも電気を通しやすい銅やアルミが、また絶縁電線の被覆部分の素材としては電気を通しにくいビニルやポリエチレンなどが使われています。
絶縁電線は、街中の電柱に吊り下がっているので、誰かが誤って触れてしまう危険もあり、被覆されています。
なお、主に後者の絶縁電線(配電線)については、無電柱化の取り組みによって地下の管路内に張り渡されている地域もあります。
ちなみに、これら送配電線は3本で1セットになっています。
これは、発電所の三相交流発電機が3種類の異なる周波数の電気を発電しているためで、それに対応するよう3本1セットが家庭まで引き込まれています。
以上のように電線は、流れる電圧や通過するエリアの特性に合わせて、剥き出しだったり被覆されたりしながら、発電所から家庭までの長い旅路をたどり電気を運んでくれているのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
電線とは
電気を通して輸送する金属線
という技術要素なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1744年電線というアイデアドイツの科学者ヨハン・ハインリッヒ・ウィンクラーが、感応(静電)発電期を改良して放電火花を遠距離に成功、電気輸送について「絶縁された導体を用いると世界の果てまでも送ることができるだろう」と述べる。
- 1800蓄電池における電線の利用イタリアの物理学教師アレキサンドル・ボルタが、ボルタ電池の両端を金属線で繋ぐと内部で電流が生じることを発見する。
<参考文献>