この用語のポイント
簡単にいうと…
レーザー発振器とは
光を増幅して放射する装置
という技術要素です。
固体レーザー/気体レーザー/液体レーザーなど種類がありますが、
ここではポピュラーな固体レーザー発振器をみてゆきます。
なお同じレーザー装置でも、半導体レーザーは、これらレーザー発振器とは仕組みが異なります。
ちなみに「レーザー」とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(輻射の誘導放出による光の増幅)に由来する名称です。
詳しくいうと…
レーザー発振器は、増幅された光(レーザー光)を発して、コンサートホールをカラフルな色で照らしたり、CDの情報を読み取ったり、あるいは医療現場で特定細胞を切除することなどに用いられます。
レーザー発振器は、主にレーザーロッド、ランプ光源、反射鏡によって構成されています。
まず、ランプ光源からの光(励起光)が照射されて、レーザーロッドの素材内にちらばる発光原子が、一瞬、励起状態(量子力学において、強いエネルギーを保持している状態)に置かれます。
すぐまた基底状態へ戻るのですが、この際、発光原子から誘導光と呼ばれる強い光が放射されます。1の光量を入力すると、2の光量が出力される、というイメージです。こうして光源の光がレーザーロッド内で増幅されます。
増幅された光は、レーザーロッド両端に置かれた反射鏡によって反射され続け(その場に保持され続け)、片方の部分透過鏡を通して装置外部へと放射されてゆきます。これがレーザー光線です。
こうしてレーザー発振器は、発光原子が励起状態から基底状態へ戻る際に発される誘導光を利用して、入力される光を増幅します。
増幅されたレーザー光線の特徴として、エネルギー密度が高いため凸レンズを介して溶接用途に用いられたり、指向性(特定方向への放射)があるためCD・DVD等光ディスクの読み取り用途に使われたりします。
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つまり…
レーザー発振器とは
光を増幅して放射する装置
という技術要素なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1917年レーザー理論の確立ドイツ生まれの物理学者アルベルト・アインシュタインが、論文「放射の量子論について」を発表、レーザーの理論的基礎を確立する。
- 1950年光ポンピング法の提案フランスの物理学者アルフレッド・カストレルが、原子・電子を励起状態にする光ポンピング法を提案する。
- 1958年レーザーの特許出願アメリカ・ベル研究所の物理学者チャールズ・タウンとアーサー・ショウロウが、レーザー(当時は光学メーザーと呼ばれていた)を研究し、特許を出願する。
- 1959年「レーザー」の登場コロンビア大学の大学院生ゴードン・グールドが、論文「レーザー―輻射の誘導放出による光の増幅―」を発表、レーザーという言葉を公で初めて用いる。
- 1960年レーザー発振器の開発アメリカ・ヒューズ研究所の物理学者セオドア・メイマンが、最初のレーザー発生装置を開発する。
<参考文献>(2019/03/30 visited)