集光器

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この用語のポイント

・光を集めて、曲げたり、残したり、検出したりするよ

簡単にいうと…

集光器とは

 光を集めて、屈折・残像・検出などを行なう

技術要素・個体の総称です。

このサイトの造語です。

詳しくいうと…

集められた光のある風景

度数の合わない眼鏡をかけると、視界がぼやけてしまいますよね。これは視界の光が、自身の眼にフィットしない仕方で屈折されているからです。

つまり眼鏡は光を曲げています。望遠鏡や顕微鏡も同様に、光を、レンズを介して曲げることで、小さな像を大きく見せてくれます。またプリズムの入った分光器を使えば、光にかざした物体の組成を調べることもできます。

光を集める技術は、何も屈折現象だけに頼ったものではありません。電子技術の発達により、光を電気へ変換する回路素子が現れると、デジタルカメラや光センサーなどが、光や色を検知して記録に残してくれるようになりました。

 

そうした集光器の種類をここで見てゆきましょう。

集光器の種類

集光器は、取り集められた光に対する加工法や用途に応じて、主に以下のように分類可能です:

 ①屈折器

 ②撮影器

 ③光検出器

 

ひとつひとつ概覧してゆきます。

屈折器(光を曲げる技術)

屈折器は、風景や物体からこちら側へやってくる光を、都合よく曲げながら集める光学素子、あるいはそれら光学素子を組み入れた集光器です。

レンズ、眼鏡、望遠鏡、顕微鏡のほか、プリズム、分光器、DNAシーケンサー、あるいは鏡、光ファイバーなどがこの屈折現象を主に用いています。

 

撮影器(光の痕跡の技術)

撮影器は、レンズによって集めた光と色を、感光材フィルムや光検出器によって記録する集光器です。

アナログカメラやデジタルカメラなどがこのタイプになります。

 

 

光検出器(光を検知する技術)

光検出器は、光を電気信号へ変換することで、光の有無や色彩を検知する集光器です。

フォトダイオード、フォトトランジスタなどがあります。

 

 

 

 

 

以上で概観したように、集光器は光を屈折させ、記録し、検出することで、わたしたちの視界に異なる縮尺の現実を見せ、風景を模造し、光の有無や色彩を検出してくれています。

 

・集光器は光を集めつつ、曲げたり、残したり、検出したりするよ
・屈折器はレンズを用いた装置、撮影器はカメラ、光検出器は検出用素子として日々の生活に入り込んでいるよ
 

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つまり…

集光器とは

 光を集めて、屈折・残像・検出などを行なう

技術要素・個体の総称なわけです。

 

光を集める、とは不思議な表現じゃな。だがたしかに、光は勝手に入ってくるものではなく、わしらが自分の頭や望遠鏡の向きを気の赴くままに決めておるのじゃから、いわばわしらは、生活しているだけでも光の採集者じゃというわけじゃな。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1021年
    カメラ・オブスキュラの記述
    イラクの科学者イブン・アル=ハイサムが『光学の書』で、孔・レンズを通して風景を内部のスクリーン上へ投影する装置カメラ・オブスキュラについて記述を残す。 

  • 1608年
    ガリレオ式望遠鏡の発明
    オランダの眼鏡師ハンス・リッペルスハイが、凸レンズ(対物レンズ)と凹レンズ(接眼レンズ)を組み合わせた望遠鏡(オランダ式ないしガリレオ式)を発明する。

  • 1609年
    ガリレオの天文観測
    イタリアの物理学者・天文学者ガリレオ・ガリレイが、当初軍事用に利用されはじめた望遠鏡(倍率3倍)を夜空に向け、月のクレーターや土星の環、木星周囲の衛星などを観測する。

  • 1611年
    ケプラー式望遠鏡の発明
    ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが、対物・接眼レンズ両方に凸レンズを用いた屈折式望遠鏡を発明する。

  • 1621年
    スネルの法則
    オランダの天文学者・数学者ヴィレブロルト・スネルが、光の屈折に関するスネルの法則を発見した。

  • 1656年
    ホイヘンスの巨大望遠鏡
    オランダの物理学者・数学者・天文学者クリスティアーン・ホイヘンスが、長さ37mの巨大な空気望遠鏡(筒構造ではなくレンズが他の支持物で固定されたタイプ)を覗いて、土星の衛星タイタンや、火星を観察する。

  • 1663年
    反射式望遠鏡の原理
    スコットランドの数学者ジェームス・グレゴリーが、2枚の凹レンズを用いた反射式望遠鏡の原理を発表する。

  • 1668年
    反射式望遠鏡の実機
    イングランドの数学者・物理学者アイザック・ニュートンが、反射式望遠鏡の試作機を発明する。

  • 1729年
    色収差の改善
    イギリスの法律家・発明チェスター・ムーア・ホールが、屈折率の異なる2種類のガラス材から対物レンズを作成。色収差(屈折時の色ズレ)を改善する。

  • 1824年頃
    写真機の発明
    フランスの発明家ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスが、鉛と錫の合金板を用いた世界初の写真機を撮影する。

  • 1836年
    実用的写真機の発明
    フランスの写真家ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールとニエプスが、銅板を銀で被覆し、感度を上げるためヨウ素蒸気に晒したプレートを用いて、実用的な写真機を発明する。

  • 1839年
    光起電力効果の発見
    フランスの物理学者ベクレルが、薄い塩化銀で覆われた白銀の電極を電解液に浸したものに、光を照射すると、電流が生じる現象を発見する。

  • 1887年
    一般的な光電効果の発見
    ドイツの物理学者ヘルツが、紫外線の照射により、帯電した物体がその電荷を容易に失うという光電効果を発見する。

  • 1880年
    音声を光に乗せて
    スコットランド生まれの工学者グラハム・ベルが、音声を可視光線の信号に乗せて通信するPhoto-Phone実験を行なう。

  • 1888年
    一般向け写真機の販売
    アメリカの発明家ジョージ・イーストマンが、安価な写真機「No.1コダック」を販売する。

  • 1905年
    光電効果の理論的説明
    物理学者アインシュタインが、論文「光の発生と変換に関する1つの発見的な見地について」において光量子仮説を発表し、光子と電子の相互作用という説明によって光電効果が理論づけられる。

  • 1925年
    画像を光に乗せて
    スコットランドの電気技術者ジョン・ロジー・ベアードが、画像をパイプ/ロッド内の光伝送路を介して通信する特許を出願する。

  • 1930年
    光ファイバーの試み
    ドイツのハインリッヒ・ラムが、ガラス繊維の束の中に光を導く実験を行なう。

  • 1932年
    天体からの電波を発見
    アメリカ・ベル研究所の物理学者・無線技術者カール・ジャンスキーが、天体が電波を発することを発見する。

  • 1940年
    電波望遠鏡の発明
    アメリカの天文学者グロート・レーバーが、自宅の庭に世界初となる電波望遠鏡を建造する。

  • 1954年
    太陽電池の開発
    アメリカ・ベル研究所のダリル・シャピン、カルビン・フラー、ゲラルド・ピアーソンが、pn接合を用いた太陽電池を開発、現在の太陽電池の原形となる。

  • 1958年
    光ファイバーの確立
    インド生まれの物理学者ナリンダ―・シン・カパニーが、異なる屈折率のガラス(コア/クラッド)を用いた光伝送媒体を考案、光ファイバーの基礎を確立するとともに、このとき初めて「光ファイバー(Optical Fiber)」と名付けられる。

  • 1965年
    実用化への提言
    上海生まれの物理学者チャールズ・K・カオが、ガラスの不純物濃度を下げれば光の損失が低減でき実用化できる旨の論文を発表する。

  • 1970年
    実用化への第一歩
    アメリカのコーニング社が、カオの提言通りの損失率内を達成する光ファイバーの特許を取得する。

  • 1975年
    デジタルカメラの発明
    イーストマン・コダック社の技術者スティーブ・サッソンが、世界初のデジタルカメラを発明する。

  • 1985年
    日本での実用化
    日本で北海道-鹿児島間をつなぐ日本縦貫光ファイバーケーブル網がISDN構想のなかで整備される。