この用語のポイント
簡単にいうと…
光ファイバーとは
光信号を遠隔地へ伝送する極細ケーブル
という技術要素です。
ファイバー(fiber)は英語で「繊維」の意味で、1本あたり1mm以下というその繊維ほどの細さを表しています。
詳しくいうと…
光ファイバーは通常、1本の被覆内に複数本がまとめて張られています。
光ファイバー内では、クラッドとコアと呼ばれる、屈折率の異なる2層の石英ガラスないしプラスチック素材が重なっています。
両者の境界面内で、光信号が反射しながらファイバー内を進んでゆきます。
また光ファイバーは、他のインターネット回線とは異なり、電気を光に、また光を電気へ変換する装置を介在させる必要があります。
電気を光へ変換するにはレーザーダイオード(半導体レーザー)などが、その逆はフォトダイオードなどが用いられています。
中継器では、信号強度の増幅などが数十kmごとに行なわれます。
光ファイバーは、通常の銅線ケーブルに比べて高速かつ大量の信号を、(電磁気の影響を受けないため)少ない損失で伝送することができる優れた特性を持っています。
このため通信伝送路として日々のネットライフを支えたり、歪みや温度変化を検知するセンサとしても用いられています。
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つまり…
光ファイバーとは
光信号をコア内で反射させながら遠隔地へ伝送する極細ケーブル
という技術要素なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1621年スネルの法則オランダの天文学者・数学者ヴィレブロルト・スネルが、光の屈折に関するスネルの法則を発見した。
- 1880年音声を光に乗せてスコットランド生まれの工学者グラハム・ベルが、音声を可視光線の信号に乗せて通信するPhoto-Phone実験を行なう。
- 1925年画像を光に乗せてスコットランドの電気技術者ジョン・ロジー・ベアードが、画像をパイプ/ロッド内の光伝送路を介して通信する特許を出願する。
- 1930年光ファイバーの試みドイツのハインリッヒ・ラムが、ガラス繊維の束の中に光を導く実験を行なう。
- 1958年光ファイバーの確立インド生まれの物理学者ナリンダ―・シン・カパニーが、異なる屈折率のガラス(コア/クラッド)を用いた光伝送媒体を考案、光ファイバーの基礎を確立するとともに、このとき初めて「光ファイバー(Optical Fiber)」と名付けられる。
- 1965年実用化への提言上海生まれの物理学者チャールズ・K・カオが、ガラスの不純物濃度を下げれば光の損失が低減でき実用化できる旨の論文を発表する。
- 1970年実用化への第一歩アメリカのコーニング社が、カオの提言通りの損失率内を達成する光ファイバーの特許を取得する。
- 1985年日本での実用化日本で北海道-鹿児島間をつなぐ日本縦貫光ファイバーケーブル網がISDN構想のなかで整備される。
<参考文献>(2019/08/13 visited)