この用語のポイント
簡単にいうと…
無整流子モーターとは
固定子側で磁極を制御し、回転子の磁石を回す電気モーター
という技術個体です。
ブラシレスDCモーター、BLDCモーターとも呼ばれます。
同じ直流モーターである整流子モーターと比べて、摩耗してしまうブラシ(と整流子)がない分、メンテナンス性が容易であるという特徴があります。
詳しくいうと…
ブラシレスDCモーターは、右図のような外観を(だいたい)していますが、これを輪切りにして、内部の断面図を覗いてみましょう。
左図のように、内部では固定子側に複数のコイルがそれぞれ設置され、中央に回転子である永久磁石が入っています。
ブラシレスDCモーターでは、通電され磁界を形成するのは一部のコイルです。
左図では、コイルAとコイルCに通電され、それぞれ異なるN極/S極の磁界を生みます。磁界の向きがAとCで異なるのは、電流の向きが互いに異なるためです。
ここでは、回転子のS極が、コイルAのS極と反発し、またコイルCのN極に吸引されることで、時計回りに回転を始めます。
次のステップでは、コイルAとコイルBに
通電されて磁界が形成されます。
先ほどと同様に、回転子に対する各コイルの磁極に応じて、回転子はさらに時計回りに回転を続けます。
最後に、すこし過程を飛び越えた左図の位置に回転子があるとします。
このとき、コイルAとコイルCが磁極をもちますが、2つ前の図に比べると、各コイルのN極/S極方向が逆転していることがわかります。
これは、コイルに供給される電流の向きが、先ほどとは逆になっているため、そこから生じる磁界の向きも逆転するためです。
以上のように、ブラシレスDCモーターは、ブラシ・整流子を用いることなく、固定子側で磁極制御をすることで、回転子の磁石を回転させることができます。
摩耗部品であるブラシを用いず、メンテナンスが容易なため、CD-ROM装置、PCの冷却ファン、扇風機や掃除機から、ハイブリッドカーなどにまで、幅広く搭載されています。
さらに知りたいなら…
つまり…
無整流子モーターとは
固定子側で磁極を制御し、回転子の磁石を回す電気モーター
という技術個体なわけです。
高速回転する回転子の位置検出をしつつ、コイルの磁極制御を行なうとは、いまどきの電子回路はすごいのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
1832年 イギリスの科学者ウィリアム・スタージャンが、
整流子式直流モーターを発明する。
1970年代以降 半導体技術の発展により、
電子制御によるブラシレスDCモーターが開発される。
<参考文献>(2018/12/16 visited)