簡単にいうと…
熱電変換素子とは
熱を電気へ変換する
技術要素です。
詳しくいうと…
熱電変換素子は、だいたい右図のようなチップ状の形をしています。
両側面の温度差によって電流を生み出す発電する電子回路のパーツです。
どうやってそのようなことが可能になるのか、中身を覗いてみましょう。
構造と仕組み
左図は熱電変換素子の断面図です。
加熱・冷却される両側面の電極、そのあいだにN型半導体とP型半導体が挟まっています。
両側面の温度差により、各半導体内の自由な電子/正孔が冷却側へと集まってきます。
この際、加熱側と冷却側とのあいだで電位差が生まれ、電流が回路内で生じるようになるのです(ゼーベック効果)。
ゼーベック効果とは、熱電効果の一種で、物体の温度差が電圧へ直接変換される現象のことです。おなじ熱電効果の仲間には、電気を使って冷却するペルティエ素子のペルティエ効果があります。下記用語も参照ください:
ペルティエ素子
ペルティエ素子は、電流を流すと熱も移動して片面が冷たくなる、板状の電子部品だよ
以上のように熱電変換素子は、温度差によって電子と正孔の位置を偏らせることで上手く熱から電気へ変換します。熱→電気への変換効率は7%前後~10数%程度と低いですが、その小回りの良さ(小型軽量・低メンテナンス費・長寿命)を活かして、工場用装置や自動車エンジンにおける排熱発電に向け、研究開発が進められています。
原子力電池にも熱電変換素子が搭載されています。この原子力電池は、原子核崩壊反応によって得られる熱を電気へ変換する仕組みです。詳しくは下記用語を参照ください:
原子力電池
半減期の長い放射性物質から生じる熱を、電気へ換えるよ
・熱電変換素子は、熱を電気へ換えるよ
・温度差が物体内の電位差を生むというゼーベック効果を利用しているよ
さらに知りたいなら…
つまり…
熱電変換素子とは
物体内の温度差を電位差へ導いて、熱を電気へ変換する
技術要素なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1821年ゼーベック効果の発見エストニアの物理学者トーマス・ゼーベックが、金属棒の内部に温度勾配があるとき両端間に電圧および電流が発生するゼーベック効果を発見する。
<参考文献>(2019/08/22 visited)
熱電素子 - Wikipedia
熱電変換素子 - Wikipedia
ゼーベック効果 - Wikipedia
熱電発電 - Wikipedia
404 Not Found
https://home.komatsu/jp/company/tech-innovation/report/pdf/190329_09.pdf