この用語のポイント
簡単にいうと…
ターボ圧縮機とは
羽根車によって流体(空気やガス、液体)を圧縮する
技術要素です。
航空機のジェットエンジンのほか、空調設備やガス圧送などに用いられます。
詳しくいうと…
ターボ圧縮機は、羽根車がくるくる回ることにより、吸い込んだ流体(空気やガス、液体)の圧力を増します。
右図は航空機のジェットエンジンの例です。青色の羽根車が何段も連なって回転していることがわかります。
このターボ圧縮機には、圧縮流体を送り出す方向に応じて、軸流式と遠心式があります。
軸流式ターボ圧縮機
まず軸流式は、羽根車の軸方向に対して水平に流体の出入りが行なわれるタイプです。
左図では、左側から流体が入ってきて、右側へと高圧状態のまま出ています。
羽根車は、回転する動翼と、静止した静翼が何段にも連なっています。動翼と静翼の羽の向きは逆になっており、この形状のちがいにより、流体の流れを上手くコントロールしています。
構造が複雑ですが、羽根車を追加することで多段化が容易で、大型航空機などにも用いられます。
遠心式ターボ圧縮機
次に、遠心式は、羽根車の軸に対して垂直方向へ圧縮流体を送り出す方式です。
左図では、左側から流体が来て、羽根車の回転を介して上下それぞれに圧縮流体が送り出されています。
構造は簡易ですが、出力向上を図ると流入流体とぶつかる正面面積が大きくなる(空気抵抗が大きくなる)という欠点があり、主に中型のプロペラ航空機やヘリコプターなどに搭載されることがあります。
以上のように、軸流式や遠心式など、異なる構造や流体方向を持ちながら、ターボ圧縮機は空気やガス、液体を圧縮して送り出す働きがあります。
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つまり…
ターボ圧縮機とは
羽根車によって流体を圧縮し、軸方向や遠心方向へ送り出す
技術要素というわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
1939年 ドイツのハインケル社が、世界初のターボジェットエンジン搭載の
航空機He178を初飛行させる。
<参考文献>(2018/09/30 visited)