この用語のポイント
簡単にいうと…
プロペラ水車とは
渦巻状のケース内で、スクリュー状羽根車の外側から内側への水流によって回転運動エネルギーを得る水車
という技術個体です。
低落差にも適しており、小型のものもあります。
詳しくいうと…
プロペラ水車は、フランシス水車と同様にダムや、河川の落差地点に設置され、水の落ちる際の水圧を水車(水力タービン)の外側から内側へと与えることで水車を回転させ、発電機に運動エネルギーを与えます。
フランシス水車とはちがいは、ランナ(水力タービン部分)の形状が、スクリュー型である点です。
このスクリュー型ランナのおかげで、低落差の環境条件でもフランシス水車に匹敵する高効率を実現できます。そんなプロペラ水車の形状について詳しくみてみましょう。
プロペラ水車の構造
左図がプロペラ水車の構造です。
スクリュー羽根になったフランシス水車ですね、はい。
仕組みも同じく、渦巻状のケーシングからやってくる水流によってランナを回転させ、通過した水流はそのまま吸出管へと逃げ河川へと放流されます。
カプラン水車の構造
ところでプロペラ水車のなかには、羽根部分が動くタイプがあります。
これをカプラン水車といいます。
発電機側にある水車翼駆動部から、下部のランナまで、変節棒(プッシュプルロッド)という棒がつながっています。
そのときどきの水の流量に応じてこの変節棒が動き、最適な発電効率となるようランナ翼の角度を変えることができます。
プロペラ水車(固定翼)は、2~150mの水の落差、0.01~3m2/sの流量に対応し、
カプラン水車(稼働翼)は、10~60mの水の落差、10m2~/sの流量に対応します。
いずれも、大規模発電所向けのフランシス水車と比べて、中小規模のダムや河川へ適用可能です。
チューブラ水車は、落差のある水管内に設置され、軸方向を水流の向きと同じく横向きに置いています。低落差に利用されるプロペラ水車です。
(←画像クリックでAmazonサイトへ)
水車は人類史のなかで大きな役目を果たしつづけてきました。
そうした歴史の観点から、人間と水車との歴史に興味のある方向けの1冊です。目次はこちらのサイトをご覧ください。
つまり…
プロペラ水車とは
スクリュー状羽根車(固定or可動)の外側から内側への水流によって回転運動エネルギーを得る水車
という技術個体なわけです。
スクリューといえば船の推進翼じゃが、こんな発電用途でも活躍しておるんじゃのう。
歴史のツボっぽくいうと…
1912年 オーストリアの技術者ヴィクトル・カプランが、
羽根の角度を調節できる水車の特許を取得する。
<参考文献>(2018/11/24 visited)
http://www.city.itoigawa.lg.jp/secure/16567/suiryoku_h2.pdf