簡単にいうと…
国際標準化機関とは
単位・技術・成分・手続きなどの国際規格を定める組織
という社会機関です。
詳しくいうと…
身近な標準
学校で習ったメートル(m)やグラム(g)、ネジや乾電池の大きさ、電気回路図の記号、非常口の人型マーク(ピクトグラム)、QRコード、あるいはさいきん良く耳にする「5G(第5世代移動通信システム)」、これらはすべて国際標準化されています。
このため、日本以外の海外でもこれらの形・大きさ・仕様は日本同様に通用することが可能です。言語以外のあらゆる分野で、異なる国同士が同じ物事を取り扱えるようにしましょう、という便利な決まりがこの標準化なわけです。
国際標準化機関の種類
そんな標準を定める機関として、たとえば下記の組織があります:
国際度量衡委員会(CIPM) | メートル条約にもとづく。長さや重さなど科学単位の定義を定める。 |
国際法定計量機関(OIML) | OIML条約にもとづく。計量器の技術基準&測定法の規格を定める。 |
国際標準化機構(ISO) | 非営利法人。あらゆる分野で約2万の規格を定める。 |
日本産業標準調査会(JISC) | 日本の経産省の審議会。ISO規格を日本語に翻訳・適用したり、申し出のあった規格の審議を行なう。 |
国際電気通信連合(ITU) | 国連機関。電気通信・無線通信の規格&規制を定める。 |
電気電子工学者学会(IEEE) | 学会。電気・情報工学分野の規格を定める。 |
アメリカ国立標準技術研究所(NIST) | 米国立機関。あらゆる分野の規格を定め、研究活動も行なう。ノーベル賞受賞者の輩出多数。 |
たとえばCIPMの委員会では、音響・振動・電磁気・長さ・質量・光・放射線・時間・周波数など、さまざまな単位が日々審議されています。
IEEEは聞き馴染みのある方も多いかもしれません。LANケーブル規格であるIEEE802.3やWi-Fi規格であるIEEE802.11などの規格ですっかりお馴染みです。
企業で働くひとは、組織の環境マネジメント規格であるISO14000というISO規格を知っているかもしれませんね。
以上のように国際標準化機関は、わたしたちの身の回りにあるありとあらゆる物の単位・形・大きさ・成分などの共通規格を定めることで、今日もわたしたちの日常生活を根本から支えてくれているのでした。
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つまり…
国際標準化機関とは
単位・技術・成分・手続きなどの国際規格を定める組織
という社会機関なわけです。
メーカーが新技術を開発すると、いかにそれを国際標準化させるかという戦略も求められるんじゃよ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1865年ITUの設立フランスで、国際電気通信連合(ITU)が設立される
- 1875年国際度量衡委員会の設立メートル条約に基づき、国際度量衡委員会(CIPM)が設立される
- 1947年ISOの設立スイスで、1926年に設立された万国規格統一協会を前身として、国際標準化機構(ISO)が非営利法人として設立される
<参考文献>(2020/08/07 visited)
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/dev/md_4244.pdf