簡単にいうと…
生活機関とは
生存して暮らすうえでの共同体
という社会機関です。
詳しくいうと…
生活するとは?
ひとはみな、気が付いたら生きていました。
そのまま生きながらえるためには、どうも体に食糧を与えてあげたり、排泄したり、社会体のなかで家庭・学校にいなければならないようです。
やがて成長するにつれ、どうもパートナーを見つけて共同生活するのが有性生物の世の理らしいと気づきます。もちろん一人でも暮らしてゆけますが、なんだか変化もほしくなります。
また、どこかに住まうということは、同じエリアで同様に暮らしている他の人々とも何かしら関わるということを意味します(望むのであれ仕方なしであれ)。
これは、近接という、不可避の物理的条件にもとづく帰結ですが、それと同時に、自分が他の人々と、同じ社会体の機能を享受しながら日々を営んでいること、社会体にとっては自分も他の人々も同列であるということ、にも気付かされる出来事です。
それに、かつて生きていた過去の人々の行動様式も。食事の前に手を合わせる、結婚式やお葬式といった儀式に参加する、これらはいずれもいま生きている人々の発明ではなく、かつて生きていた人々の文化を自分も享受していることを意味しています。
そうこうするうち、これまた気付けば、わたしたちは他の人々と関わり合って生きながらえていました。
こうした暮らすうえでの関わり合いの仕組みが生活機関と呼ばれるものです。
生活機関の種類
生活機関には、家族・自治組織・宗教機関などの種類があります。
一つひとつ見てゆきましょう:
家族
家族とは、情緒的紐帯によって結ばれ、しばしば婚姻下にあり、多くの場合に人間個体の再生産を担う集団、という生活機関です。
生殖、扶養、保護、教育などさまざまな機能を果たします。
自治組織
自治組織とは、ある居住地域において、その住民たちが協議・活動するための集団、という生活機関です。
町内会・自治会・マンション管理組合・消防団など、さまざまな組織があります。
宗教機関
宗教機関とは、信仰を同じくする人々からなる組織、という生活機関です。
日々の生活様式や儀式に深く根付いているため、生活機関にカテゴライズしています。
宗教ごとに、神道・仏教・キリスト教・イスラム教など、さまざまな宗教機関があります。
以上のように生活機関は、これら組織によってわたしたちの日々の生活を構成し、有性生物として、また社会体の一部として、ある程度最適化された姿を提示しながら、今日もわたしたちを生かし続けているのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
生活機関とは
生存して暮らすうえでの共同体
という社会機関なわけです。
わしはずっと一人暮らしでもよいし、近所づきあいもせんし、信仰もしていないんじゃが、それでも生活機関の一部なのかのぅ?
歴史のツボっぽくいうと…
- ?世紀頃神社の普及古代の日本で、神社や祠が建てられる
- 2世紀頃キリスト教の普及古代ローマ帝国で、キリスト教の組織が普及する
- 6世紀頃仏教の伝来日本の飛鳥時代に、仏教が伝来し、聖徳太子の働きもあり日本全国に普及、以降多くの寺院が各地に建てられる
- 622年最初のモスク現在のサウジアラビアで、ムハンマドらイスラム共同体による最初のモスク「預言者のモスク」が建設され、以降イスラム教の普及とともに各地でモスクが建てられる
- 7世紀頃五保制の導入日本の古代律令制において、五戸を単位として相互扶助・治安・徴税などについて連帯責任を負わせる制度が導入され、その機能は江戸時代の五人組や今日の町内会へと一部継承される
- 927年日本全国の神社リスト日本の平安時代に、全国の神社の一覧(2810社)である「延喜式 神明帳」が『延喜式』第九・十巻に収録される
- 16世紀頃日本の家制度の誕生日本で、武士階級の家父長制をもとにして家制度が成立し、家督相続や本家/分家などの概念が生じる。
- 1947年日本の家制度の廃止日本で、日本国憲法の施行と同時に、憲法24条(家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等)に反するとの理由で家制度が廃止される。