簡単にいうと…
ネジとは
円筒や円錐の面に沿ってらせん状の溝を刻んだ
構築部材です。
大きなネジや、ナットとペアになったネジは、とくに「ボルト」と呼ばれます。
詳しくいうと…
ネジは「産業の塩」と呼ばれるくらい、製造物や構造物にとって欠かせないものです。
回転運動によって締められる際の、直線方向への締結圧力によって、2つのパーツ同士をくっつけて固着させることができます。
用途としてはこの締結以外にも、パイプなどを繋ぎ合わせる接合、ロープなどをぴんと張り詰めさせる緊張などがあります。
意外な用途としては、スクリューコンベアのように砂・泥を直線状に移動させる(搬送)、マイクロメータのように物の寸法を測る(測定)、カメラのピントを合わせる(微調整)、ジャッキのように大きな力を加える(増力)などもあります。
このように、たんなる締結パーツとしてだけでなく、回転運動と直線運動を互いに変換する運動器として、レシプロエンジン内などに搭載されるクランクシャフトと並んで広く活躍しています。
ネジの凸部はネジ山、凹部はネジ溝といいます。
さらにネジ山の稜線はフランクと呼ばれ、フランクの2辺に挟まれたネジ山の角度をフランク角と呼びます。
また、ネジ山同士の間隔をピッチ、ネジを一回転させた際の軸方向の移動量をリードと呼びます。
以上のようにネジは、機械や建物のパーツ同士をくっつけるだけでなく、搬送、微調整、増力などの機能も発揮する、大変万能な構築部材なのでした。
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日頃身近なネジについて、より深く理解したい方はぜひ手に取ってみてください。
つまり…
ネジとは
回転運動を直線運動へ変換することで、締結、搬送、微調整などに役立つ、円筒や円錐の面に沿ってらせん状の溝を刻んだ
構築部材なわけです。
ネジは、その汎用性から、人類が創り出した最も偉大な発明のひとつと見なされることもある、回転運動と直線運動とのあいだの子どもなんじゃ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 紀元前7世紀頃スクリューの使用アッシリア王国の国王センケナブリの残した楔文字文書に、スクリューの記述が残される
- 紀元前8~6世紀頃オリーブ圧搾機の登場古代ギリシャでオリーブをプレスする圧搾機(スクリュープレス)が利用される
- 1500年頃ダ・ヴィンチとネジイタリアの工学者・芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが、装置制作時の締結用にネジを用いる
- 16世紀中頃ネジの普及ヨーロッパでさまざまな装置にネジが利用され、家内工業としてネジ製造が行なわれる
- 1800年精密なネジの普及イギリスの技術者ヘンリー・モーズリーが、鋼鉄製のネジ切り用旋盤を発明し、精密なネジが量産されることでその後の産業革命に寄与する
<参考文献>(2019/10/23 visited)