アーク溶接装置

技術個体
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この用語のポイント

・アーク(電弧)放電の熱で、金属同士を溶かして繋ぎ合わせるよ

簡単にいうと…

アーク溶接装置とは

 アーク(電弧)放電の熱で、金属同士を溶かして繋ぎ合わせる装置

という技術個体です。

詳しくいうと…

たとえば、ある金属材と金属材とをくっつけて、窓枠をつくったり、美術オブジェクトを創作したり、車・バイクのカスタマイズをしたいとき、溶接装置を用いる必要があります。

いくつかある溶接方法のうち、アーク溶接は、アーク(電弧)と呼ばれる放電現象を利用して高熱を得て、その高熱で金属を溶かす方法です。

 

左図のように、アーク溶接装置は、繋ぎ合わせたい母材、溶接材となる溶接棒、そして電気回路をつくる溶接機からなります。

 

溶接機をスイッチONすると、溶接機-ケーブル-溶接棒母材-ケーブル-溶接機からなる電気回路が形成されます。

ここで、接触させていた溶接棒母材から少し離してあげると、空気中を大出力の電流が走り(アーク放電)、激しくスパークします。

この放電は5,000℃~20,000℃もの超高温を伴います。この超高温により、母材と溶接棒が一緒になって溶け合い、一瞬後には冷えて固まることで、複数の母材同士を、溶接棒の金属滴を介して接合することができるわけです。

溶接棒(電極)が溶融し、溶滴となって母材に移行するこの方式は溶極式と呼ばれます。
また、アーク放電の出力を安定化させるため、溶接箇所の付近にアルゴン・ヘリウム等のガスを溶接と同時に噴射し、金属を大気から守るシールドガスを用いる場合もあります。

 

・アーク溶接装置は、アーク(電弧)放電の熱で、金属同士を溶かして繋ぎ合わせるよ
・溶極式の装置では、溶接棒が溶けてそのまま金属同士の間の”つなぎ”になるよ
・アーク放電の出力安定化のため、シールドガスを同時に噴射する場合があるよ
 

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つまり…

アーク溶接装置とは

 アーク(電弧)放電の熱で、金属同士を溶かして繋ぎ合わせる装置

という技術個体なわけです。

 

溶接の世界は、建築の、修理の、そして美術の世界でもあるのぉ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1800年
    電弧放電の発見
    イギリスの化学者ハンフリー・デービーが

    瞬間的な電弧放電の現象を発見する

  • 1802年
    持続的な電弧放電
    ロシアの物理学者ヴァシーリー・ウラジーミル・ペトロフが

    持続的な電弧放電の現象を発見する

  • 1881年
    アーク溶接の開発①
    フランスで発明家ニコライ・ベナルドスがアーク溶接法を実演する

  • 1881年
    アーク溶接の開発②
    フランスの発明家オーギュスト・ド・メリタンスが

    電池の鉛板の接合に炭素アーク熱を利用する

 

 

<参考文献>(2019/03/16 visited)

Arc welding - Wikipedia
Arc welding - Wikipedia
電弧 - Wikipedia
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