#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

冷却器

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この用語のポイント

・熱エネルギーを奪うことで温度を下げる装置の総称だよ

簡単にいうと…

冷却器とは

 熱エネルギーを対象から奪うことで温度を下げる装置

という技術要素・個体の総称です。

 

一般的には冷却用の実験器具を指しますが、

当サイトでは熱Eを奪う装置全般を指して冷却器と呼ぶことにします。

詳しくいうと…

冷えのある風景

ホモ・エレクトゥスの昔から、人類は火を操作することで加熱することを覚えました。

ただ、加熱の対極にある冷却は、より高度な技術を要します。

人為的な装置で水を冷却して氷をつくることができたのは、まだほんの数百年前のことにすぎません。

 

もちろんそれ以前にも冷却の工夫はありました。扇やファン(空冷)、あるいは川でスイカを冷やす(液冷)などがそれです。ただし、加熱器にとっての火のような、それに触れるだけで周囲から熱を多く奪う存在―氷―をつくるには地理的・気候的条件にゆだねざるをえない時代が、圧倒的に長かったのです。

このため、冷却器の歴史は、加熱器のそれに比べると、まだ若いです。

それら冷却器の種類をみてゆきましょう。

 

冷却器の種類

冷却器は、その冷却の仕組みのちがいに応じて、次のように分類できます:

 ①放熱器

 ②空冷器

 ③液冷器

 ④気化熱冷却器

 ⑤電磁気冷却器

 

ひとつひとつ概覧してゆきます。

 

①放熱器(自然に冷やす技術)

放熱器は、とくに何も加えず、ただ自然に任せて熱が逃げてゆくのを期待する冷却器です。

放熱フィンなどが該当します。

 

 

 

②空冷器(空気で冷やす技術)

空冷器は、空気を送風することで対象から熱を奪う冷却器です。

ファン、扇風機、うちわなどがこのタイプです。

 

 

 

③液冷器(液体で冷やす技術)

液冷器は、水や油などの液体を循環させることで対象から熱を奪う冷却器です。

復水器や水冷エンジンなどがこのタイプにあたります。

 

 

 

④気化熱冷却器(気化熱で冷やす技術)

気化熱冷却器は、水分が蒸発する際に熱が奪われる作用を利用した冷却器です。

冷却サイクルを利用するエアコン冷蔵庫、製氷機、あるいは冷却ジェルシートなどが該当します。

 

⑤電磁気冷却器(電磁気で冷やす技術)

電磁気冷却器は、電気・磁気の作用で熱移動を引き起こす冷却器です。

ペルティエ素子や磁気冷凍システムなどがこのタイプです。

 

 

 

以上で概覧したように、冷却器は、自然放熱・空気・液体・気化熱・電磁気などの作用により、物や人から熱エネルギーを奪うことで対象を冷やし、今日もわたしたちに氷や冷房を提供し、パソコンCPUやエンジンの過熱予防を支えているわけです。

 

・冷却器とは、熱エネルギーを奪うことで温度を下げる装置の総称だよ
・流体への熱移動、気化熱、電磁気作用などによって熱エネルギーを奪うよ
・冷却器は冷房を提供し、PC・エンジン等の過熱防止を支えているよ
 

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つまり…

冷却器とは

 流体への熱移動、気化熱、電磁気作用などにより、熱エネルギーを対象から奪うことで温度を下げる装置

という技術要素・個体の総称なわけです。

 

冷却器がなければ、真夏に倒れてしまうひとが続出するじゃろうし、エンジンもPCもオーバーヒートして壊れてしまう。復水器がないから発電所も動かん。冷蔵庫もないから食品・外食産業も壊滅じゃろうし、我が家の料理は日干し物や漬物がメインになるじゃろう。
いかにわしらが冷却器に依存した生活体系を築いてきたか、わかるのぉ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1556年
    鉱山換気用ファンの記述

    ドイツの鉱山学者ゲオルク・アグリコラが著書『デ・レ・メタリカ』で、鉱山換気用のファンについて記述する。

  • 1748年
    気化熱の発見
    イギリスの化学者カレンが気化熱を発見。

  • 1758年
    気化熱の実験

    蒸発時に生まれる熱移動(気化熱)を利用して物体を冷却する実験をフランクリンらが行なう。

  • 1769年
    復水器付き蒸気エンジン

    イギリスの技術者ジェームズ・ワットが、ニューコメンの蒸気エンジンの改良型(復水器付き)を製作する。

  • 1803年
    初期冷蔵庫の発明

    アメリカの豪農ムーアが、氷を利用して冷蔵する道具を作成し、これに「refrigerator(冷蔵庫)」と名付ける。

     (電気冷蔵庫以降、ムーアのこの道具は「icebox」と再命名される)

  • 1820年
    アンモニア冷却の発見
    イギリスのファラデーが、液化アンモニアによる冷却を発見。

  • 1820年
    アンモニアの気化熱実験
    加圧により生まれる液化アンモニアの蒸発時に周囲の空気が冷却する実験をファラデーが行なう。

  • 1834年
    エーテル製氷機の発明

    アメリカの発明家パーキンスが、エーテル(有機化合物)を用いた圧縮型の製氷機を作成。

  • 1834年
    ペルティエ効果の観察
    フランスの物理学者ジャン=シャルル・ペルティエが、異なる2種類の金属に電流を流すと熱も輸送する現象を観察する。

  • 1840年頃
    表面復水器の試作
    表面復水器の試作機が登場する。

  • 1842年
    氷で病室が冷房される
    医師ジョン・ゴリーが、圧縮技術で氷を作って患者のために病室を冷やした。その後、都市の空調集中制御を構想した。

  • 1856年
    エーテル冷蔵庫の開発

    オーストラリアのハリソンが、実用的な圧縮型エーテル冷蔵庫を開発。ビール業界・食肉加工業界で利用される。

  • 1902年
    電気エアコンの製造
    アメリカのウィリス・キャリアが電気式エアコンを製作、印刷工場の温度・湿度を調整した。

  • 1902年
    自然冷却の自動車エンジン
    アメリカのフランクリン社が空冷自動車エンジンを開発する。

  • 1906年
    空気調和の概念登場

    アメリカのクラマーが、織物工場内の加湿機に「エア・コンディショニング(空気調和)」と名付ける。(”water conditioning”という織物製造過程からの着想)

    以降、”人間や製造物を囲む大気環境の調節”という発想が普及。

  • 1927年
    電気冷蔵の普及

    アメリカのGE社が製造した家庭用の電気冷蔵庫、100万台以上を生産し一般に広く使われる。

    同年、日本の日立製作所が電気冷蔵庫の試作に成功。

  • 1928年
    フロンの発明

    アメリカの化学者トマス・ミジリ―が、人体に無害な冷媒「フロン」をアンモニアの代替物として発明。

  • 1928年
    フロンの発明

    アメリカの化学者トマス・ミジリ―が、人体に無害な冷媒「フロン」をアンモニアの代替物として発明。

  • 1950年代
    エアコンの普及
    アメリカで家庭用エアコンが普及

  • 1950年代
    日本で冷蔵庫が普及
    日本で、電気冷蔵庫が急速に普及。三種の神器のひとつと呼ばれる。

  • 1974年
    オゾン層破壊の警鐘

    アメリカのローランド&モリーナが、フロンなど塩素原子が成層圏で活性化しオゾンを分解すると発表。

  • 2008年
    ヒートポンプ技術の重要性

    国際エネルギー機関(IAEA)が、『エネルギー技術展望2008』のなかでヒートポンプ技術を含む17の主要エネルギー技術をとりあげる。

 

 

<参考文献>(2019/03/17 visited)

冷却 - Wikipedia
熱交換器 - Wikipedia
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