簡単にいうと…
家畜動物とは
人間によって育てられ、人間の役に立つ動物
という自然加工物です。
詳しくいうと…
家畜動物のいる風景
はじめ、動物は各々の種ごとにまとまって生息していました。
そのうち、ホモ・サピエンスという種が、他の動物たちを柵で囲って縄を付け、餌を与えて手なづけるようになりました。これら動物たちは、荷物持ちの労働力だけでなく、肉・卵・乳や毛・骨・牙などをその身をもってホモ・サピエンスへ提供してくれるため、ホモ・サピエンスたちにとってもその共生関係は都合がよかったのです。
家畜化(domestication)と呼ばれる、他の動物たちに対するこうした態度は世界各地で広がりました。やがて、野生種だった動物たちも家畜化され、品種改良されていって、今あるような犬・羊・山羊・馬・牛たちが新たな種として誕生してゆきます。その数はますます増えてゆきました。
今日、世界人口68億人に対して、牛が14億頭、豚と羊がそれぞれ10億頭、鶏が190億羽いて、ホモ・サピエンスたちの胃袋を満たして化学エネルギー源となり、あるいは衣服の素材としてその皮膚を蔽ってくれています。
家畜動物に関連する種類
こうした家畜動物に関連するものには、大きく分けて次のものがあります:
・家畜
・飼料
家畜
家畜は、家畜化の対象となる当の動物たちのことです。
その用途に応じて、農用動物・使役動物・伴侶動物・実験動物に大別されます。
飼料
飼料は、家畜に対して与えられる餌のことです。
かつて遊牧民族は、この飼料を探し求めてあっちにこっちに移動生活を送っていました。他方、定住民族にとっては、この飼料を安定供給するための農業が必要となりました。
今日、飼料として主に穀物・牧草が用いられます。
さらに知りたいなら…
日本の家畜・家禽(2009年)
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つまり…
家畜動物とは
人間によって育てられ、人間の役に立つ動物
という自然加工物なわけです。
家畜化された動物は、野生種と比べて、人間に従順になる、脳が縮小する、人間にとって有益な部位が肥大化する傾向があるぞい。それ以外にも、繁殖時期が長くなったり、人間の手助けなしだと生活を送れないなど、顕著な差異が見られるわぃ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 紀元前8000年頃羊・山羊・豚の誕生西南アジアで、野生種だったムフロン・パサン・イノシシが家畜化され、それぞれヒツジ・ヤギ・ブタへと品種改良される
- 紀元前6000年頃牛の誕生西南アジアやインドで、野生種だったオーロックスが家畜化され、ウシへと品種改良される
- 紀元前5,000年前頃牧畜の興り古代エジプトで、牧畜が行なわれる
- 紀元前4000年頃馬・驢馬の誕生ウクライナでウマが、エジプトでロバが、それぞれ家畜化される
<参考文献>(2019/12/21 visited)