この用語のポイント
簡単にいうと…
温石/焼石とは
保温用・調理用に熱された石
という技術要素です。
たんに熱々の石(自然要素)ではありますが、
保温・調理における人類の工夫として、技術要素のひとつに数えます。
詳しくいうと…
温石
平安時代、冬など火鉢から離れたとたん寒さに身震いする時期に、着物の懐に仕舞っておける保温具が生まれました。
それが温石(おんじゃく)です。
炭火などでは熱すぎるし、湯たんぽでは重すぎる。そこでちょうどよい暖かさと軽さを兼ねた石が注目されました。
仕組みは簡単、火鉢などで加熱した石を、布や袋にくるんで、懐に仕舞うだけです。
この温石、手軽さもあってか、江戸時代まで使われていたそうです。滑石(かっせき)や蝋石(ろうせき)などが好まれたとのこと。
焼石
焼石(やきいし)も、温石と同様、熱された石です。
ただ、今度は料理に用いられます。
汁物の入った器に、この焼石を入れると、熱さで汁が一気に沸騰します。こうして熱々のお汁を頂けるというわけです。
この焼石調理法が活きるのは、土器(鍋)のまだなかった旧石器時代あたりでした。鍋もなしに煮炊きや蒸し料理ができるため、古代の遺跡にはしばしば、まとまった焼石(礫群)が見つかります。
上記でみた保温・調理のほか、温石は漢方医学(温罨法)でも、焼石はサウナなどでも利用されています。熱した石というシンプルな工夫のため、歴史も長く、広い用途で用いられてきました。
さらに知りたいなら…
つまり…
温石/焼石とは
保温、調理のほか、医療、入浴などにも利用される、熱された石
という技術要素なわけです。
このくらいならわしにも作れそうじゃな。
…と思ったが、わしの住む都市には、そもそも石が落ちておらんのぅ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 旧石器時代~新石器時代焼石による料理焼石プレートを使ったパンがつくられる。
- 12世紀頃日本で平安時代に、温石が用いられはじめる。
<参考文献>
https://www.city.midori.gunma.jp/www/contents/1000000001754/simple/23.pdf