社会機関
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└研究機関
簡単にいうと…
産業機関とは
物やサービスを提供して対価を得る組織
という社会機関です。
対価として、かつては「物」もありましたが(物々交換)、今日の資本主義経済ではほとんど「貨幣」で賄われています。
詳しくいうと…
産業と組織
古代ギリシャの哲学者タレスは、ある日「学問が何の役に立つんだ」と言われたので、天文学の知識を生かして翌年のオリーブの豊作を予想し、あらかじめオリーブ搾油機をたくさん予約しておきました。すると翌年、予想通りオリーブは豊作となり、タレスはそのオリーブ搾油機を農家のひとびとへレンタルさせて儲けた、という逸話を、アリストテレスが紹介しています。
これを一人でやるのは大変なので、現代なら、天体観測をするひと+収穫量を予想するひと+器械を買い付けるひと+農家へ貸し出すひと+お金勘定をするひと+これらの人々をまとめるひと、という風に手分けして作業をすることになるでしょう。
18世紀イギリスの経済学者アダム・スミスは、これを分業と呼びました。
社会体の人口が増えるにつれ、分業は自然と生じてきました。一人のひとが野菜を育て、魚を釣りに出掛けるよりも、野菜を育てるひとと魚釣りをするひとをそれぞれ別にして、それぞれの生業に集中してもらうほうが効率的です。
こうして、農業や水産、製造や建設、金融や流通などの生業を別々のひとびとが担うようになり、さらにそれぞれの生業のなかでも分業体制が敷かれ、必要な専門機関が分かれ、これら専門機関が相互に協働しながらひとつの産業を維持・発展させてゆきました。
こうしたできた、複数の業界・産業機能を分担する組織のことを産業機関と呼びます。
産業機関の種類
産業機関には、一次産業機関、二次産業機関、三次産業機関などの種類があります。
一つひとつ見てゆきましょう。
一次産業機関
一次産業機関とは、農業・畜産業・林業・水産業などにかかわる組織のことです。
農業機関・畜産機関・林業機関・水産機関などの種類があります。
下記の用語も参照ください:
二次産業機関
二次産業機関とは、鉱業・製造業・建設業などにかかわる組織のことです。
採鉱機関・製造機関・建設機関などの種類があります。
下記の用語も参照ください:
三次産業機関
三次産業機関とは、金融業・流通業・飲食業・情報サービス業などさまざまな産業にかかわる組織のことです。
金融機関・流通機関・飲食機関・情報サービス機関などの種類があります。
下記の用語も参照ください:
以上のように産業機関は、日々わたしたちがそこに携わり、社会に生きる人々を生活させると同時に社会体を存続させる、生産活動の組織なのでした。
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つまり…
産業機関とは
物やサービスを提供して対価を得る組織
という社会機関なわけです。
働きたくないでござる。
…とはいえ、何かやりごたえのある活動はしていたいものじゃのぅ。生きている感じがするしのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 約100万年前加熱調理のはじまり食材を火に直接かけたり、焼石で間接的に加熱する調理が行なわれる
- 30万~3万年前木材の利用ネアンデルタール人たちが石器を用いて木から槍や舟などを作り出す
- 約3万年前パン製造の痕跡すりつぶした植物の根を、水に混ぜて焼き上げた、一種のパンがつくられる
- 紀元前24世紀頃農業の興りイスラエルのガリラヤ湖岸で、23,000年前の農耕の痕跡(オオムギ、ライムギ、エンバク、エンメル麦)が発見される
- 紀元前8700年前頃金属の利用メソポタミア地方で、紀元前8700年前頃の純銅製ペンダントが出土される
- 8000年前~6500年前頃
- 紀元前5500年前頃精錬の開始ペルシャで、銅鉱石を加熱して銅元素を抽出する精錬が行なわれる
- 5000年前頃毛織物の発明メソポタミア地方で、羊毛を用いた毛織物が発明される
- 3000~2000年前頃木工技術の発展古代エジプトで木工技術が発展し、斧、釿、鑿、鋸、弓錐などの木工道具が利用される
- 紀元前6~5世紀頃日本の稲作の興り日本の縄文時代中期に、稲作が行なわれ始める
- 1148年ヨーロッパ最古の銀行貸付・投資機能が高度に発達していた中世イタリアで、ヨーロッパ最古の認可された銀行「サン・ジョルジョ銀行」が設立される
- 1785年前織物生産の機械化イギリスの発明家エドモンド・カートライトが、織機の機械化に取り組み、以降多くの特許を取得する
- 19世紀前半自動織機の普及イギリスやアメリカを中心に、自動式織機の機械が普及する
- 1838年世界初の農業協同組合日本の江戸時代に、農政学者・大原幽学が、先祖株組合という農業協同組合を世界で初めて創設する
- 1872年日本の国立銀行の設立日本の明治時代に、国立銀行条例が制定され、翌1873年に渋沢栄一が日本初の国立銀行である第一国立銀行(現:みずほ銀行)を設立する
- 1882年日本の中央銀行の設立日本の明治時代に、日本銀行条例が制定され、同年に日本銀行が開業する
- 1900年全国規模の農業組合日本の明治時代に、他国の協働組合などを参考に、産業組合法が成立、以降全国の農村に普及する。のちに帝国農会、農業会へと改組される
- 1935年化学繊維の発明アメリカの化学者ウォーレス・カロザースが、世界初の合成繊維であるナイロンを発明する
- 1947年コンピュータゲームの発明アメリカのトーマス・T・ゴールドスミスとエストル・レイ・マンが、ブラウン管を用いた世界初のコンピュータゲームを開発する
- 1948年農業協同組合の発足日本の戦後の農地改革において、当時の深刻な食糧難において食糧を統制・管理する必要から、それまでの農業会を改組する形で農協が発足、今日にいたる
<参考文献>(2020/08/08 visited)