集積回路

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簡単にいうと…

集積回路とは

 電子回路や回路素子が細かく作りこまれた

技術要素です。

「IC」(Integrated Circuit)とか、その材料に半導体を用いているため単純に「半導体」とか呼ばれたりします。

詳しくいうと…

20世紀前半まで、電子回路といえば真空管や、秋葉原の電気店で売られているようなバラ売りの回路素子によって構成されていました。

身近な真空管製品といえば、ブラウン管テレビがあります(もう見かけない?)。イメージするとわかるように、とってもスペースを取りますよね。

この真空管を中心とする電子回路のままでは、スマートフォンやノートパソコン、薄型テレビなど、現在わたしたちの周囲にあふれている省スペースな電子機器は発明されなかったでしょう。

 

それがここ半世紀のうちに事情が変わりました。

集積回路、および半導体の開発技術が進展したためです。

半導体とは、シリコン(Si)などの、条件次第で電気を通したり(導体)通さなかったり(絶縁体)する素材のことです。

たとえばこのシリコンにリンなどの不純物を若干量加えるだけで、その内部で電子が自由に動き回って電気を通しやすい性質を示します(n型半導体:負の電荷negativeを持つ)。また逆に、ホウ素などを加えて電子が常時欠乏する性質も示します(p型半導体:正の電荷positiveを持つ)。

 

集積回路はその表面・内部に、異なる性質の半導体素材(n型・p型半導体)を層状に形成しています。

そして蒸着(ガス付着による薄膜形成)やエッチング(ガス反応による切削)といった精密加工技術によって、薄膜配線を張り巡らせています。

こうすることで、従来とは比べ物にならないほど電子回路を小型化することに成功しています。

トランジスタやコンデンサなどの回路素子の数が1000素子以上の集積回路(IC)はLSI(Large Scale Integration)、10万素子以上のものはVLSI(Very Large Scale Integration)などとも呼ばれます。

 

以上でわかるように、集積回路はその半導体という素材技術と、蒸着・エッチングといった精密加工技術とを結集させることで、日々わたしたちが利用している電子機器の小型・薄型という省スペース性を根本から支えているのでした。

 

・集積回路は、電子回路や回路素子が細かく作りこまれたものだよ
・電子数を制御しやすい半導体素材や、蒸着・エッチングといった精密加工技術によって実現されるよ
・今日の小型・薄型電子機器を根底から支える技術だよ
 

さらに知りたいなら…

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集積回路(半導体)の製造プロセスを、イオン注入からエッチングにいたるまで、そしてその前工程と後行程も含めて、わかりやすいイラスト・写真つきで解説する1冊です。

この機に、身近な電子部品について学び直してみるのはいかがでしょう?

 

つまり…

集積回路とは

 電子回路や回路素子が、半導体の素材技術と蒸着・エッチング加工技術により細かく作りこまれた

技術要素なわけです。

 

半世紀前のコンピュータをググってみると、真空管や配線なんかの機器が部屋いっぱいに詰まった風景が出てくるぞ。

 

それがいまでは片手に収まるサイズなんじゃから、恐れ入るわぃ。

歴史のツボっぽくいうと…

  • 1952年
    集積回路の発案
    イギリスの工学者ジェフリー・ダマーが、集積回路のアイデアを公表する

  • 1958年
    集積回路の開発
    アメリカ・ウェスティングハウス社が「Molectronics」という名称の集積回路の概念を発表する

  • 1959年
    集積回路の主要特許
    アメリカ・インスツルメンツ社のジャック・キルビー、およびフェアチャイルドセミコンダクター社のロバート・ノイス(のちにインテル社を創業)が、それぞれ半導体による集積回路の特許を出願。「キルビー特許紛争」と呼ばれる権益争いの議論が起こる

  • 1960年代
    汎用ロジックICの出現
    さまざまな種類の電子回路を集積回路によりチップ化した汎用ロジックICが現れる

  • 1965年
    ムーアの法則
    ロバート・ノイスらとともにインテル社を創業したゴードン・ムーアが、「集積回路上の部品数は毎年2倍の割合で増大しており、今後10年間は同様の増加率をたどるであろう」と見解する論文を発表。その後、「集積回路上のトランジスタ数は1.5年ごとに倍になる」というムーアの法則が有名になる

 

 

<参考文献>(2019/09/01 visited)

集積回路 - Wikipedia
化学気相成長 - Wikipedia
ジャック・キルビー - Wikipedia
ロバート・ノイス - Wikipedia
キルビー特許 - Wikipedia
ムーアの法則 - Wikipedia
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