この用語のポイント
簡単にいうと…
ブレイトンサイクルとは
ガスタービンエンジンやジェットエンジンといった熱機関の理論サイクル
という技術原理です。
詳しくいうと…
熱機関の理論サイクルについて
ガスタービンエンジンやジェットエンジン内部における
圧力と、体積との関係をグラフにすると、下図の感じになります:
①吸気口(青色)
②圧縮機(紫色)
③燃焼器・タービン(赤色)
④排気口(茶色)、です。
このうち、③のタイミングで燃焼が行なわれ熱量がやってきて、④のタイミングで残存熱量が排気されます。
黄色の面積部分が、エンジンの行なう正味の仕事量となります。
なお、他エンジンのサイクルとのちがいとして、①吸気と④排気が等圧(=大気圧下)で行われる点が挙げられます。
また、ジェットエンジンなどでは、一度燃焼されたガスを再燃焼するアフターバーナーという仕組みによって、仕事量の黄色面積を一時的に増やすことができます。
左図がそれを示しています。
熱効率について
ブレイトンサイクルの熱効率は下式によって求められます:
$熱効率 = \frac{正味の仕事量}{単位質量あたりの加熱量}$
$= 1 - \frac{1}{圧力比^\frac{(比熱比-1)}{比熱比}}$
ここで圧力比とは、先述の②圧縮において、
圧縮機を通る前/後の空気流の圧力差を指します。
(先ほどのグラフでいうと、上下の高低差にあたります)
気化燃料に依存する比熱比を別とすると、
ブレイトンサイクルにしたがうエンジンの熱効率を改良するには
この圧力比の改善・調整が重要になることがわかります。
ちなみに一般的なガスタービンでは、この圧力比は11~16だそうです。
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理論サイクルまではあまり記載がなさそうではありますが、ジェットエンジン全般を分かりやすく概覧したい場合に役立ちます。
つまり…
ブレイトンサイクルとは
ガスタービンエンジンやジェットエンジンの熱機関の理論サイクルで、圧縮行程での圧縮比が熱効率にとって重要な
技術原理なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
1791年 イギリスの技術者ジョン・ハーバーが、
ガスタービンの理論サイクルに関する特許を取得する。
1872年 アメリカの技術者ジョージ・ブレイトンが、
ハーバーの理論サイクルに該当するピストンエンジンを発明する。
<参考文献>(2018/09/09 visited)