この用語のポイント
簡単にいうと…
電磁調理器とは
ヒーター側の磁束で鍋底に誘導電流を生じさせ、この際生じる抵抗加熱によって鍋を温める
という技術個体です。
IH調理器、IHクッキングヒーターとも呼ばれます。
ちなみにIHとは誘導加熱(Induction Heating)の略称です。
詳しくいうと…
電磁調理器は、従来のガスコンロ・電気コンロと並んでお鍋を温めるヒーターです。
その構造と仕組みをみてゆきましょう。
構造
左図は、電磁調理器のヒーター側を示しています。
ヒーター内部にはIH(誘導加熱)コイルが埋め込まれています。
また、インバータ回路は電流を高周波化させ、制御回路はその制御を行ないます。
次に、これら構造が働く仕組みをみてゆきます。
仕組み①:磁束の生成@ヒーター側
まず、コンセントから50Hz/60Hzの電流が流れてくると、インバータ回路によって高周波化されます(20~30kHz)。
IHコイルの中をこの高周波電流が駆け巡ることで、強力な磁束(磁力線)が発生します(右ネジの法則)。
これでヒーター側は準備OKです。
仕組み②:ジュール熱の生成@鍋側
では、お鍋を置いてみましょう。
磁束が通過することで、鍋底には渦状の電流が生じます(電磁誘導)。
お鍋には電気抵抗があるため、この渦電流が流れると同時にジュール熱(抵抗熱)が生じます。
この熱により、お鍋が温められるわけです。
以上のように電磁調理器は、磁力線発生器としてのヒーターと、その磁束を受け取り電磁誘導現象によってジュール熱を生じさせるお鍋が、セットになることで、今日もわたしたちのためにお湯を温め、カレーやシチューを煮込んでくれています。
さらに知りたいなら…
(←画像クリックでAmazonサイトへ)
個々の製品は詳しくないですが、「概要だけでもいいから家電のことを幅広く知りたい!」という方向けです。
つまり…
電磁調理器とは
ヒーター側の磁束で鍋底に誘導電流を生じさせ、この際生じる抵抗加熱によって鍋を温める
という技術個体なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1900年代電磁調理器の特許取得
- 1950年代電磁調理器のデモ展示アメリカのジェネラル・モーターズ社が電磁調理器を展示する
- 1971年電磁調理器の販売アメリカのウエスティングハウス・エレクトリック社が電磁調理器Cool Top 2 Induction rangesを販売する
<参考文献>(2019/03/10 visited)