簡単にいうと…
工業薬品とは
工業生産の過程で添加される薬品
という自然加工物です。
詳しくいうと…
わたしたちが日頃触れる素材や製造物は、多かれ少なかれ化学反応を経て形成されています。その際、化学反応を助けたり、完成品の品質を改善するために、以下のような薬品が添加されています。
…化学反応の速度を速める薬品です。水素化反応を促す白金、タンパク質の分解を促す酵素などたくさんの種類があります。
・溶剤
…他の物質を溶かし込む液体で、水やアルコールなどが用いられます。
・充填剤
…ゴムや合成樹脂に対して添加することで、丈夫さなどの品質改善や体積の増量を行なう薬品です。カーボンブラックなどがあります。
・滑剤
…摩擦を軽減して加工を容易にする薬品です。パラフィンワックスやステアリン酸金属塩などがあります。
・捕捉剤
…化学反応を停止させる薬品で、酸化防止、合成樹脂の重合防止、ハロゲン化合物の分解防止などに用いられます。エタノールやヒドロキノン、ビタミンC(アスコルビン酸)などがあります。
・試薬
…化学実験や医薬品の動物実験などで試みに用いられる薬品、あるいは特定成分を検出するための薬品です。後者の意味では、アンモニアを検出するネスラー試薬などがあります。
・芳香剤
…香りを付けるための薬品で、果実や花の抽出成分、あるいはそれを模した化合物が用いられます。
以上のように工業薬品は、素材や製造物の生産時に添加されることで、多様な化学反応を引き起こすことで、生産工程を楽にしたり、最終完成品の品質を改善したりしているのでした。
さらに知りたいなら…
トコトンやさしい 触媒の本(2007年)
(←画像クリックでAmazonサイトへ)
「触媒に興味あるけど難しい本はちょっと…」という方向けです。目次はこちらのサイトを参照ください。
つまり…
工業薬品とは
工業生産の過程で添加される薬品
という自然加工物なわけです。
どんな製造物も、何らかの素材を用いて形がある以上、これら工業薬品の助けを借りておるぞぃ。天然素材でさえ、その仕上げ過程では滑剤や光沢剤、防腐剤などが用いられておる。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1823年触媒の発見ドイツの化学者ヨハン・デーベライナーが、白金が空気中の酸素と水素を反応させる触媒であることを発見する
<参考文献>(2019/12/15 visited)