#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

樹脂

自然加工物
関連用語
 自然加工物
 └材料
  └素材
   └有機素材

    └樹脂
スポンサーリンク
スポンサーリンク

簡単にいうと…

樹脂とは

 樹皮から分泌される樹液が固まった物質、またそれらと性質の似通った物質

という自然加工物です。

詳しくいうと…

樹脂とは、いくつかの有機物質から構成され、水に溶けない一方で油には溶け、多くの場合、加熱すると液体になり常温付近だと固化する、そんな物質のことを指します。

この樹脂には、大別して天然樹脂合成樹脂があります。1つひとつ見てゆきましょう。

天然樹脂

天然樹脂は、「樹脂」という名前の通り、樹木の分泌物(樹液)が固まった物質です。

あまり身近に感じないかもしれませんが、弦楽器の弦(つる)に塗る塗布材や野球の滑り止めバッグ、テレピン油という油絵具の溶剤などに広く用いられる松脂(まつやに)をはじめ、琥珀天然ゴム乳香なども樹脂の一種です。

たとえば松脂は、右図の通り、松の樹皮をはがした幹に、矢状の溝をつけることで採取されています。

また、植物だけでなく動物の分泌物として、似たような性質を備える物質も樹脂と呼ばれることがあります。カイガラムシの殻をつくる分泌物であるシェラックのほか、膠(にかわ)や鼈甲(べっこう)も樹脂の一種と見なされる場合があります。

これに加えて、鉱物の分泌物のうち、植物・動物樹脂に近い性質を持つ物質―アスファルトやタール―も樹脂と呼ばれることがあります。幅広いですね。

合成樹脂

合成樹脂は、化学反応によって作成された、天然樹脂とよく似た性質を示す物質全般のことを指します。多くの場合、おなじく有機物質である原油(とりわけ原油から精製されるナフサ)が主原料です。

合成樹脂は便利なのでたくさんの種類が開発されてきました。一例として、フェノール樹脂ポリウレタンポリエチレンポリ塩化ビニルなどがあります。

たとえばポリエチレンは、原油から抽出されたエチレンガスを、溶剤・触媒と一緒にして重合反応器内で高温・高圧環境下に置かれることで製造されます。

こうした過程により、重合体(ポリマー)と呼ばれる、1単位の分子がたくさん連鎖する高分子物質ができあがります。合成樹脂の多くはこの重合体の構造をとっています。

 

 

以上のように樹脂は、樹木・動物・鉱物から分泌されたり、化学反応によって製造される、有機物質の一種を指します。こうした樹脂のうち、前者の天然樹脂は滑り止めや研磨剤、接着剤や漢方薬などに、そして後者の合成樹脂は素材一般として、今日もわたしたちの生活に広く浸透しているのでした。

 

・樹脂とは、樹皮から分泌される樹液が固まった物質、またそれらと性質の似通った物質のことだよ
・多くの樹脂は、水に溶けない一方で油には溶け、加熱すると液体になり常温付近だと固化することが多いよ
・天然樹脂としては松脂や漆や天然ゴムなどが、合成樹脂としてはポリエチレンやポリ塩化ビニルなどがあるよ
 

さらに知りたいなら…

トコトンやさしい プラスチック成形の本(2014年)
(←画像クリックでAmazonサイトへ)

プラスチックのうち、種類や組成だけでなく、とくに成形方法について詳述する1冊です。

その可塑性を利用して、どのような成形の工夫があるのか俯瞰することができます。

樹脂(2017年)
(←画像クリックでAmazonサイトへ)

天然樹脂に関する本が(予想通り)ほとんど無かったため、代わりといっては何ですが。。。

次の一文からはじまるミステリ小説です。興味をもたれたらこちらの書評もお読みください。

「お父さんがおばあちゃんを殺したとき、白い部屋は真っ暗だった。私もその場にいた。カールもいたのに、お父さんもおばあちゃんも全然気づいていなかった。」

 

つまり…

樹脂とは

 樹皮から分泌される樹液が固まった物質、またそれらと性質の似通った物質

という自然加工物なわけです。

 

「樹脂」とひとことで言っても、かなり範囲が広いのぉ。液体状態下で粘り気をもち、不溶性じゃが油には溶ける、そんな有機物質全般をほとんど指していそうじゃのぅ。

じゃが、天然樹脂と合成樹脂は、そんな性質がたまたま似ているだけで、まったく別種の物質のようじゃがなぁ。後者が樹脂と呼ばれているのは、そのほうが我々にとって馴染みやすいからじゃろうか?

歴史のツボっぽくいうと…

  • 紀元前40世紀頃
    乳香の利用
    エジプトの墳墓で、香料として用いられる乳香(ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から取れる樹脂)が発見される

  • 紀元前15~13世紀頃
    没薬の記述
    旧約聖書『出エジプト記』に、聖書を清めるための香の調合材として、没薬(ムクロジ目カンラン科コンミフォラ属の樹木から取れる樹脂)が記述される

  • 1835年
    合成樹脂の発見
    ドイツの化学者ユストゥス・フォン・リービッヒとアンリ・ヴィクトル・ルニョーが、有機物の一種で単量体(モノマー)である塩化ビニルを発見する

  • 1870年
    合成樹脂の商業化
    アメリカの発明家ジョン・ウェズリー・ハイアットが、象牙に代わるビリヤード球の原料として、合成樹脂の一種であるセルロイドを実用化する

 

 

<参考文献>(2019/12/07 visited)

樹脂 - Wikipedia
天然樹脂 - Wikipedia
松脂 - Wikipedia
ロジン - Wikipedia
乳香 - Wikipedia
没薬 - Wikipedia
松脂油採取の跡(高幡不動)
平成29年11月撮影 高幡不動戦争末期。苦肉の策として航空燃料原料としての利用が試みられたのが「松から採取された油」であった。しかし労力と効率の割が悪く、また粗悪のために実用には至らず。 松の根からは「松根油」、樹皮からは「松脂油」が採取さ
合成樹脂 - Wikipedia
重合体 - Wikipedia
ポリエチレン - Wikipedia
クロロエチレン - Wikipedia
セルロイド - Wikipedia
web版化学プロセス集成 ポリエチレン
ポリエチレン製品の製造工程 | 富士カガク
タイトルとURLをコピーしました