#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

医薬品

自然加工物
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簡単にいうと…

医薬品とは

 人間や動物の疾病を治療・予防する薬品

という自然加工物です。

ここで「疾病」とは、病気・怪我・精神疾患など身体的・精神的な不調全般を指します。

どんな状態が「健康」で「病気」なのか、その状態を峻別する診断規範が時代ごとにどように変化してきたのか、といったテーマも興味深いですが、それはここでは扱いません。

 

複数の生薬(しょうやく)を配合する東洋医学の漢方薬もありますが、ここでは単一成分から主に構成され、病院でもおなじみの西洋医学の医薬品を紹介します。

 

詳しくいうと…

わたしたちは、風邪をひけば風邪薬を飲み、お腹の調子がわるければ整腸剤を、冬になるとインフルエンザの予防接種をします。

このとき、わたしたちはいったい何をしているのでしょうか?

つまり薬とは、わたしたちの体内でどのように機能しているのでしょう?

薬が作用する仕組み

ここで、体内へ摂取するタイプの薬の仕組みを見てみましょう。

まず、わたしたちの体の各器官は多くの細胞から構成されています。

細胞には、受容体と呼ばれる構造があり、神経などの他器官から分泌される情報伝達物質が、この受容体の通路を通って細胞に生理反応を呼び起こさせています。

 

さて、薬はこの細胞の受容体に対して、2種類の仕方で作用します。

作動薬と呼ばれるタイプの薬は、情報伝達物質に代わって受容体にスッポリ収まり、特定の生理反応を加速させます。

たとえば喘息の薬は、こうして気管支を拡張させることで呼吸をしやすくしてくれます。

他方、拮抗薬と呼ばれるタイプの薬は、受容体にスッポリ収まったあと、他の情報伝達物質がやって来るのを防ぎ、特定の生理反応を抑制させます。

たとえばアレルギーの薬は、こうして生理反応を抑制することでアレルギー症状を現れにくくしています。

 

剤形の種類

ところで薬には、いろんな形がありますね。

以下に、主な薬の形(剤形といいます)を挙げてみましょう:

 

・錠剤

…経口投与する一定形状の粒。風邪薬でおなじみ。

・カプセル剤

…経口投与する、ゼラチンなどのカプセル内に薬剤の詰まったもの。サプリメントでもおなじみ。

・エリキシル剤

…経口投与する、エタノール液に薬剤を溶かした飲み薬。

・坐剤

…肛門や膣に投与して溶けるタイプの薬。経口投与に比べて、消化器系や肝臓を経由せず、内蔵から血液を介して全身へと迅速に効くというメリットがあります。

・注射剤

…注射器を使って血管へじかに投与されるタイプの薬。痛いですよね。

・軟膏

…皮膚に直接塗り、抗炎症・抗菌・鎮痛などの作用をもつタイプの薬です。

・貼付剤

…湿布のこと。抗炎症・鎮痛などの作用をもつタイプの薬です。

 

患部の種類

薬の効く対象は、ホモ・サピエンスが抱える器官の数+αだけあります。

どんな器官も病気や怪我の対象になりえますが、たとえば皮膚系・神経系・循環器系・免疫系・呼吸器系・消化器系・運動器系・泌尿器系・生殖器系など、そしてこれら器官系にある各器官の各部位など、疾病の対象は器官の部位数だけあります。

また疾病の種類にしても、炎症や腫瘍から癌にいたるまで、本当にさまざまな種類があります。

これに加えて、体全身・精神状態にダイレクトに影響を与えるタイプの疾病として、感染症・抑うつ病・統合失調症など、これもまたたくさんの種類があります。

 

薬の法的分類

薬には主作用だけでなく副作用もあります。

このため、使用上の注意を守って服用するだけでなく、どんな薬をどんなケースで服用すべきか、といった利用判断も含めて、厳密な管理・処方が求められます。

そこで一般に、各国では薬に対して以下の法的分類を設けています(ここでは日本の薬事法での分類を紹介します):

 

 ①医療医薬品  …医師等が使用・使用指示・処方指示を行なうべき薬。

          特定の病気にかかわる専門的な薬です。

 ②要指導医薬品 …薬剤師が情報提供しつつ対面販売すべき薬。

          ホルモンに働きかける薬や、一部の解熱鎮痛剤など。

 ③一般医薬品  …利用者が自由に購入できる薬

          一般的な風邪薬や整腸剤はこちらです。

 

 

以上のように医薬品は、生命器官の細胞が行なう生理反応を加速・抑制したりしながら、疾病の治癒を促進することで、今日もわたしたちの体と心を昨日と同じように保つ助けになってくれているのでした。

 

・医薬品とは、人間や動物の疾病を治療・予防する薬品だよ
・基本的には、細胞の受容体に働きかけて生理反応を促進したり(作動薬)、逆に抑制したりして(拮抗薬)、疾病の治癒を目指すよ
 

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つまり…

医薬品とは

 人間や動物の疾病を治療・予防する薬品

という自然加工物なわけです。

 

いずれのタイプの薬にせよ、生物がすでに備えている生理反応を促進・抑制する、というポイントを押さえることは大事じゃの。薬は、基本的には、生命器官の各メカニズムを調整するための薬品であって、そこに何か劇的な別のメカニズムを導入しているわけではない、と言えるじゃろうか?

歴史のツボっぽくいうと…

  • 紀元前4000年頃
    薬用植物の記述
    メソポタミア文明で、薬用植物の名を記した粘土板が記される

  • 1~2世紀頃
    薬物書の登場
    古代中国で、薬物書の古典『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』が記される

  • 1~2世紀頃
    薬学書の登場
    古代ギリシャの薬物学者ペダニウス・ディオスコリデスが、系統的な薬学誌『マテリア・メディカ』を記す

  • 1804年
    近代薬学の幕あけ①
    ドイツの薬剤師F.W.セルチュナーが、鎮痛作用のある薬剤モルヒネを、阿片から抽出する

  • 1897年
    近代薬学の幕あけ②
    ドイツの化学者F.ホフマンが、解熱・消炎・鎮痛作用のある薬剤アスピリン(アセチルサリチル酸)を合成する

 

 

<参考文献>(2019/12/15 visited)

医薬品 - Wikipedia
剤形 - Wikipedia
くすりのいろは│すこやかコンパス│大日本住友製薬株式会社
そもそも薬って何?薬はどうやって効くの?どうやってつくられるの? 面白くてためになる、薬の「いろは」について、一緒に学んでいきましょう。
Q7 くすりはどのようにして効くのですか。 | くすりについて | 日本製薬工業協会
新薬の研究開発で社会貢献をめざす、日本製薬工業協会のくすりの情報Q&A55のページです。
細胞内情報伝達系の基本 | 薬学生!! Let's Study!!
細胞内情報伝達系とは、神経伝達物質や薬物が、細胞の受容体に結合することで発動し、細胞内に情報を伝え、そこからさらに特定のセカンドメッセンジャーが生成される。 そのセカンドメッセンジャーが情報を受け取り、別の器官へ情報を伝達し、最終的に生理反応を起こすまでの流れを指している。
主な要指導医薬品・第1類医薬品
Q1 くすりとは、そもそもどういうものだったのですか。 | くすりについて | 日本製薬工業協会
新薬の研究開発で社会貢献をめざす、日本製薬工業協会のくすりの情報Q&A55のページです。
近代のくすり創り|からだとくすりのはなし|中外製薬
漢方薬と西洋医学の薬はどう違うの? | 大正漢方胃腸薬 | 大正製薬
胃がもたれる、胸やけがする、胃が痛む感じがする…など。胃腸の調子が気になること、ありませんか? そんな「病院に行くほどでもないけれどイマイチ」なときに役立つのが「漢方薬」です。胃薬「大正漢方胃腸薬」ブランドサイト | 大正製薬
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