#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

薬品

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簡単にいうと…

薬品とは

 化学物質のうち、物性、組み合わせによる反応、生物に対する反応が、人間の役に立つもの

という自然加工物です。

詳しくいうと…

薬品のある風景

薬品とは、何かある物について、その物体の基盤を構成するほどではなくとも、その物体に散布・添加されることで、ホモ・サピエンスにとって何らかのメリットになる化学物質のことです。

 

たとえば薬品は、その物性を活かして、物体に色をつけたり(染料顔料)、汚れを落としたりします(洗剤)。

また、生物の治癒能力を促進したり(医薬品)人間の肌を綺麗に保たせたり(化粧品)、農作物の害虫を死滅させたりしてくれます(農薬)。

これら薬品自体もまた、もともとは別々だった自然物・薬品が調合された複合体です。そうした薬品同士を組み合わせて化学反応を起こす薬品もまた存在します(工業薬品)。この組み合わせによって物体の材質を補強したり、化学反応を促進したり、香りづけしたりできるようになるのです。

 

こうしてみると、わたしたちの生活は薬品に満ち溢れていることがわかります。

お皿や体を洗う洗剤、おめかしするための化粧品、風邪をひいたときに飲む医薬品、衣類やタオルを色付けする染料、合成樹脂製のパーツを色付けする顔料、農薬によって綺麗な形を保った穀物・野菜・果物、工業薬品によって丈夫になった車のゴムタイヤやトイレの芳香剤など……枚挙に暇がありません。

薬品の種類

薬品は、定義によっていろんな分類が可能ですが、

たとえば以下のような分類ができます:

 

■組み合わせ反応を活かした薬品

 ・工業薬品

■物性を活かした薬品

 ・染料

 ・顔料

 ・洗剤

■生物への反応を活かした薬品

 ・医薬品

 ・化粧品

 ・農薬

 

1つひとつ概観してゆきましょう。

工業薬品

工業薬品は、素材や他の薬品と組み合わせた際の化学反応を得るための薬品です。

触媒、溶剤、充填剤、滑剤、芳香剤などたくさんの種類があります。

 

 

工業薬品
工業生産の過程で添加される薬品だよ

医薬品

医薬品は、生物の治癒能力を高めるために用いられる薬品です。

生物の器官に応じてたくさんの種類がありますが、おおむね、細胞の生理反応を加速させる作動薬、抑制する拮抗薬に分類できます。

 

 

医薬品
人間や動物の疾病を治療・予防する薬品だよ

化粧品

化粧品は、ホモ・サピエンスの肌を綺麗に保ったり着色したりして、見栄えをよくするための薬品です。

基礎化粧品と仕上げ化粧品に大別されます。

 

 

 

化粧品
美容のために肌に塗布するものだよ

農薬

農薬は、農作物の害虫を死滅させたり、農作物の成長を調整したりする薬品です。

殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺鼠剤、あるいは植物成長調整剤などの種類があります。

 

 

農薬
農業収穫の効率化のために農作物へ散布される薬品だよ

染料

染料は、着色するための薬品のうち、液体形状をしたものです。

動植物から抽出した天然染料と、化学合成物を利用した合成染料の種類があります。

 

 

染料
水など液体へ溶かして着色に用いる有色物質だよ

顔料

顔料は、着色するための薬品のうち、粉末形状をしたものです。

鉱物などから抽出される無機顔料、化学合成物や動植物から得られる有機顔料、染料を粉末化させたレーキ顔料などの種類があります。

 

顔料
着色に用いる粉末だよ

洗剤

洗剤は、油分を含んだ汚れを洗い落とすための薬品です。

その主成分に応じて、石鹸と合成洗剤に大別されます。

 

 

洗剤
物体や生体の洗浄を行なう界面活性剤だよ

 

 

・薬品とは、化学物質のうち、物性、組み合わせによる反応、生物に対する反応が、人間の役に立つものだよ
・工業薬品、医薬品、化粧品、農薬、染料、顔料、洗剤などたくさんの種類があり、それぞれもまたたくさんの下位種類を含んでいるよ
 

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つまり…

薬品とは

 化学物質のうち、物性、組み合わせによる反応、生物に対する反応が、人間の役に立つもの

という自然加工物なわけです。

 

こうして俯瞰すると、人間たちは多様な薬品に頼って生活を送っておることが分かるのぉ。

物理的な素材であれ、人間含めた動植物であれ、薬品と同じく化学物質で構成されておるからこそ、こうしてお互い反応しあい、そのうち役に立つ薬品だけが特化され今に至っておるのじゃろうなあ。

歴史のツボっぽくいうと…

【工業薬品】

  • 1823年
    触媒の発見
    ドイツの化学者ヨハン・デーベライナーが、白金が空気中の酸素と水素を反応させる触媒であることを発見する

 

【医薬品】

  • 紀元前4000年頃
    薬用植物の記述
    メソポタミア文明で、薬用植物の名を記した粘土板が記される

  • 1~2世紀頃
    薬物書の登場
    古代中国で、薬物書の古典『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』が記される

  • 1~2世紀頃
    薬学書の登場
    古代ギリシャの薬物学者ペダニウス・ディオスコリデスが、系統的な薬学誌『マテリア・メディカ』を記す

  • 1804年
    近代薬学の幕あけ①
    ドイツの薬剤師F.W.セルチュナーが、鎮痛作用のある薬剤モルヒネを、阿片から抽出する

  • 1897年
    近代薬学の幕あけ②
    ドイツの化学者F.ホフマンが、解熱・消炎・鎮痛作用のある薬剤アスピリン(アセチルサリチル酸)を合成する

 

【化粧品】

  • 紀元前1200年代
    絵画の中の化粧
    古代エジプトで、人々が目や唇に化粧をしている絵画が残される

    ツタンカーメンの黄金のマスクでは、ラピスラズリを原料とするアイラインが目の周囲に描かれている

  • 紀元2世紀
    クリームの開発
    ギリシャの医師ガレノスが、コールドクリームの原形を開発する

  • 紀元16世紀頃
    白粉の流行
    中世ヨーロッパで、虚飾を罪と考えるキリスト教教会の権力が弱まった宗教革命の時期に、顔に蜜蝋を塗り、その上に白粉をはたくという化粧法が流行する

  • 1899年
    無毒な白粉の開発
    白粉の原料として従来用いられてきた、有毒の鉛白や水銀に代わり、人体に無害な酸化亜鉛を用いた白粉が開発される

 

【農薬】

  • 紀元前頃
    農薬の利用
    古代ギリシャや古代ローマで、殺虫成分のあるさまざまな植物を煮出した液体やワインに、播種前の種子が漬けられる

  • 1800年代
    新たな農薬の登場
    ロシア近辺のコーカサス地方で、除虫菊やデリス根の殺虫成分が知られるようになる

  • 1873年
    ボルドー液の登場
    フランス・ボルドー大学のミヤルデ教授が、べと病にかかったブドウに硫酸銅と石灰を混ぜた混合物に殺菌作用があることを発見、ボルドー液と呼ばれる

  • 1938年
    化学農薬の登場
    スイス・ガイギー社の化学者パウル・ヘルマン・ミュラーが、有機塩素系のDDTに殺虫作用があることを発見、大量に生産可能な有機化合物を殺虫剤として実用化した最初の例となる

  • 1962年
    沈黙の春
    アメリカの生物学者レイチェル・カーソンが、DDTをはじめとする農薬など化学物質の危険性について告発する著作『沈黙の春』を刊行、その後の農薬規制の運動に大きな影響を与える

 

【染料】

  • 7世紀頃
    アカネによる染色
    日本の奈良時代に、アカネ科の多年草アカネが鮮やかな赤色(茜色)の染料材料として用いられる。

    のちの17世紀、昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルが、このアカネ染色法で特許を取得する。

  • 1856年
    ドイツ合成染料の登場①
    ドイツの化学者ウィリアム・パーキンが、ニクロム酸カリウムで酸化させたアニリンの紫色素(モーヴ)で絹や羊毛を染色できることを発見する

  • 1869年
    ドイツ合成染料の登場②
    ドイツの化学者カール・グレーベとカール・リーバーマンらが、アカネ色素のアニザリンを合成する

  • 1880年
    ドイツ合成染料の登場③
    ドイツの化学者アドルフ・フォン・バイヤーが、アイの青色色素インディゴを合成する

 

【顔料】

  • 40万年前頃
    顔料の利用
    黄土や酸化鉄などの顔料が、身体への装飾目的で利用される

  • 紀元前1200年頃
    貝紫の利用
    地中海近辺のフェニキア人が、アッキガイ科の巻貝の粘液から貝紫(紫色)の顔料を抽出する

  • 15世紀頃
    画家たちの顔料探求
    ヨーロッパの画家たちの用いる青色絵具として、高価だったラピスラズリ原料に代わり、アズライト(藍銅鉱)やインディゴ(コマツナギ属の植物)が利用される

  • 1856年
    ドイツ合成染料の登場①
    ドイツの化学者ウィリアム・パーキンが、ニクロム酸カリウムで酸化させたアニリンの紫色素(モーヴ)で絹や羊毛を染色できることを発見する

  • 1869年
    ドイツ合成染料の登場②
    ドイツの化学者カール・グレーベとカール・リーバーマンらが、アカネ色素のアニザリンを合成する

  • 1880年
    ドイツ合成染料の登場③
    ドイツの化学者アドルフ・フォン・バイヤーが、アイの青色色素インディゴを合成する

 

【洗剤】

  • 紀元前3000年代頃
    石鹸の利用
    動物の肉を焼く際にしたたり落ちた脂肪と、薪の灰の混合物に雨が降り、アルカリ成分による油脂の鹸化が生じて、石鹸が発見されたと考えられる

  • 1世紀頃
    『博物誌』での石鹸
    古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスが、その著作『博物誌』において、ゲルマン人とガリア人が石鹸を用いていることを記述する

  • 12世紀頃
    カリ石鹸からソーダ石鹸へ
    地中海沿岸を中心に、生石灰を用いる従来のカリ石鹸に代わり、オリーブ油を用いるソーダ石鹸が広まる

  • 1847年
    手洗いの有効性
    オーストリアの医師ゼンメルワイスらが、医療従事者の手と院内感染との関連を示す。

    アメリカ疾病予防センターはこれを受けて、「病原体の拡散を防ぐのに最も重要な方法は有効な手洗いであることが示された」と報告する

  • 18世紀末
    石鹸の大量生産
    産業革命に伴いアルカリ剤が多く供給され、石鹸の大量生産が可能になる

  • 1916年
    合成洗剤の開発
    ドイツで合成洗剤が開発される

  • 1933年
    家庭用合成洗剤の発売
    アメリカで家庭用の合成洗剤が発売される

 

 

<参考文献>(2019/12/20 visited)

薬品 - Wikipedia
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