簡単にいうと…
固体燃料とは
燃焼反応を生じさせる基体物質のうち、固体状のもの
という自然加工物です。
詳しくいうと…
固体燃料の特徴
固体燃料のメリットは、その取扱いの容易さにあります。
たとえば薪(まき)は、いったん樹木から切り出せば、そのまま乾燥した常温下に放置しておくだけの保存が可能です。段ボール箱に入れてそのまま車両で運搬もできます。
基本的には湿度にさえ気を付けていれば、あとは日用雑貨と同じように保管・使用ができるというメリットがあります。取り回しが楽ですね。
固体燃料の種類
固体燃料には、主に以下の種類があります:
・薪
…木です。1950年代までは、日本でも炊事・風呂炊きはこの薪を火にかけて行なわれていました。
・木炭
…同じく木ですが、こちらは炭窯で蒸し焼きされて炭化した木です。火力が安定しており、火力調整も容易です。
・石炭
…植物の化石で、鉱山(炭鉱)から採掘されます。大量に採掘されたため、20世紀初頭まで工業の主要燃料でした。
・蝋
…もともとは動植物の油脂を固めたものですが、現在では、石油から抽出された炭化水素化合物の塊が多く用いられます。別名ワックスとも呼ばれます。
・固形燃料
…木炭や石炭などを砕き、添加物を加えて再び塗り固めたものです。コンパクトなので、飲食店用や軍事用、キャンプなどアウトドア用として利用されています。
・火薬
…硝酸などの物質を混淆させた粉末です。急速に燃焼・爆発するため、他の燃料とは異なり、継続的な熱エネルギー源というよりは、弾薬やロケットの推進剤など、瞬間的な熱エネルギー源として利用されます。取扱いは火薬類取締法などで規制されています。
・核燃料
…ウラン鉱石などの化合物です。原子力発電所の原子炉内で、中性子線の照射をトリガーにして、核分裂反応によって熱エネルギーを長期間にわたり発生させます。取扱いは原子力基本法などで厳重に規制されています。
以上のように固体燃料は、固体状ゆえの取り扱いの容易さから、一般家庭でも広く保管・利用されてきた燃料です。この固体燃料のおかげでわたしたちは、囲炉裏をかこみ、バーベキューを焼き、火鉢や暖炉で暖を取ることができるわけなのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
固体燃料とは
燃焼反応を生じさせる基体物質のうち、固体状のもの
という自然加工物なわけです。
いまではガス給湯器やガスコンロじゃが、ほんの半世紀前までは薪で煮炊きをしてたんじゃなぁ。移り変わりの早い世の中じゃわぃ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 約30万年前炭の利用日本の約30万年前の遺跡から炭が発見される
- 紀元前4世紀石炭の利用古代ギリシャの哲学者テオプラストスの記録に、石炭が鍛冶屋の燃料として用いられたと記述される
- 7世紀頃火薬の発明中国の著作で、硝石・硫黄・炭を混ぜた黒色火薬にかんする記述がなされる
- 9世紀~12世紀日本での木炭の普及日本の平安時代に、山林部を中心に炭焼きが広く行なわれる
- 16世紀森林資源の枯渇イギリスで、製鉄用途の木炭需要の高まりにより、森林伐採が深刻化する
- 18世紀石炭の工業利用産業革命に伴い、石炭の利用が急増する
- 1942年最初の原子炉での実験イタリア生まれの物理学者エンリコ・フェルミが、移住先のアメリカで、世界最初の原子炉「シカゴ・パイル1号」を完成させ、原子核分裂の連鎖反応の制御に史上初めて成功する。
- 1954年最初の原子力発電所ソビエト連邦(現・ロシア)のオブニンスク原子力発電所が、原子力発電所としては世界で初めて運転を開始する。
<参考文献>(2019/12/14 visited)