この用語のポイント
簡単にいうと…
復水器とは
蒸気を水へ戻す容器
という技術要素です。
蒸気エンジンの付属設備としてよく用いられます。
エアコン(ヒートポンプ)などでは「凝縮器」とも呼ばれます。
詳しくいうと…
蒸気エンジン(タービン型やレシプロ型)は、ボイラーで水を沸かして蒸気にし、この蒸気の噴射の勢いや圧力を利用して、運動エネルギーを得ています。
そうして使い果たされた蒸気は、どこへゆくのでしょう?
そのまま大気中に捨てるよりも、もう一度水に戻して(復水)再利用すれば、新たに水を調達する必要がなくなりメリットがあります。
そんな、一度蒸気になった水分をもう一度水へと戻す容器が復水器です。
この復水器には、復水の仕組みに応じて以下の種類があります:
①表面復水器
②直接接触復水器
それぞれその構造と仕組みをみてゆきましょう。
表面復水器
ちょうどわたしたちが鍋で、水を加熱してお湯+蒸気を得るのとは反対に、冷やすことで水に戻すわけです。
直接接触復水器
つぎに、直接接触復水器は、流れ込んできた蒸気に対して、散水をして、水と混じらせることで、蒸気を水へと合流させる仕組みです。
冬の夜、暖房のきいた部屋の窓にできた結露に、スプレーで水を撒いてむりやり水滴にさせることに似ています。
以上のように、水パイプの冷気によって蒸気を冷やしたり、散水したりすることで、復水器は蒸気を水へと戻すことができます。
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つまり…
復水器とは
冷たいパイプや散水に触れさせることで、蒸気を水へ戻す容器
という技術要素なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1769年復水器付き蒸気エンジン
イギリスの技術者ジェームズ・ワットが、ニューコメンの蒸気エンジンの改良型(復水器付き)を製作する。
- 1840年頃表面復水器の試作表面復水器の試作機が登場する。
<参考文献>(2018/10/04 visited)