この用語のポイント
簡単にいうと…
ハイブリッドロケットエンジンとは
固体燃料ロケットエンジンと、液体燃料ロケットエンジン両方の良いとこ取りをする
技術個体です。
詳しくいうと…
構造
下図が、液体燃料ロケットの内部構造です。
上から順に下記要素が実装されています:
・ペイロード
…人工衛星、探査機など。
・酸化剤 …液体酸素など。
・噴射装置(インジェクタ)
…酸化剤を燃焼室内へ噴射する。
・点火装置(イグナイタ)
…スパークを起こし燃焼させる。
・固体燃料
…酸化剤の噴射を待ち構える。
離陸・飛翔
離陸時は、まず上部タンクから液体酸化剤が噴射装置(インジェクタ)を通して、燃焼室内へ噴射されます。
このタイミングで、点火装置(イグナイタ)が着火させ、酸化剤と固体燃料とを燃焼反応させます。
あとは他のロケットエンジン同様、燃焼ガス流の勢いでロケットが反作用の力を得て、浮き上がってゆきます。
ハイブリッドのメリット
固体燃料の取扱いやすさと、液体燃料の推力制御のしやすさを兼ね備えています。
他方、離陸後に燃焼が進むと、固体燃料が減って出来たスペースに噴射された液体酸化剤が、そのまま素通りして燃焼反応に寄与しない場合がある(O/Fシフト:Oxidizer-to-Fuel ratio shift)など、独自の課題が残っています。
さらに知りたいなら…
つまり…
ハイブリッドロケットエンジンとは
固体燃料ロケットエンジンの取扱いやすさと、液体燃料ロケットエンジンの推力制御のしやすさを兼ね備えた
技術個体というです。
まさに固体燃料と液体燃料の良いとこ取りじゃの! ただ、器用貧乏にならんよう気をつけねばならんのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
1937年 ドイツの工学者ヘルマン・オーベルトが
ハイブリッドロケットエンジンの開発に着手する。
2004年 アメリカのスケールド・コンポジッツ社とスペース・デブ社が
ハイブリッドロケットエンジン搭載の宇宙船を開発、
民間企業としてははじめて有人宇宙船の発射を成功させる。
<参考文献>(2018/09/15 visited)