簡単にいうと…
食料とは
生物とりわけホモ・サピエンスが化学エネルギー源として摂取する物質
という自然加工物です。
詳しくいうと…
食料のある風景
食べるという行為は、わたしたちの1日のリズムに深く刻みこまれています。
朝のコーヒー、昼のランチ、午後のお菓子、そして夕食。それに覚醒している間中は飲料を継続的に摂取しています。
しばしば当たり前になっているこの摂食行為ですが、これはお腹がぐぅぐぅ鳴ってうっとおしいから行なうのではなく、わたしたちの体と頭を従来通り機能させるための化学エネルギー源の摂取です。
そこで摂取された水分や栄養素(ex.糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)は、わたしたちの消化器官で個々の有機物へと分解され、脳や血管など各器官で吸収されます。この有機物吸収により、今日も脳は神経伝達物質を行き交いさせ、心臓は血液を循環させ、肺は呼吸を反復することができているわけです。
食糧の種類
さて、わたしたちホモ・サピエンスの化学エネルギー源である食料は、多様な種類があります。
コンビニには弁当やお菓子が、スーパーには肉や野菜が並んでいます。自宅の台所でもご飯を炊いたり鍋を火にかけたりしますよね。
食料は、大別すると以下の種類に分けられます:
・加工食品
・食品添加物
1つひとつ見てゆきましょう。
食材
食材は、原材料となる食料のことです。
それ自体は自然物ですが、この数千年間の農業・牧畜業によって、わたしたちの摂取する動植物の品種はかぎりなく改良されてきており、ほとんど自然加工物と言いうるほどです。
食材は、植物系食材・動物系食材・菌類系食材に大別できます。
加工食品
加工食品は、食材に対して加熱・発酵・パッキングあるいは濾過・醸造などの加工が施された食料です。
わたしたちの日頃摂取する食料の大部分が、この加工食品です。
加熱食品・保存食品・飲料に大別できます。
食品添加物
食品添加物は、食材が加工される際に添加される特定の食料です。
加工食品の色・形・味・香りを整えたり、雑菌の繁殖抑止、異なる材料同士がよく混ざるよう促進したりと、加工食品に対して多種多様な機能を果たします。
たとえば砂糖や酢など、わたしたちが料理をする際に加える調味料も、この食品添加物にカテゴライズされる場合があります。
甘味料・着色料・保存料・増粘剤・乳化剤・香料など、たくさんの種類があります。
さらに知りたいなら…
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つまり…
食料とは
生物とりわけホモ・サピエンスが化学エネルギー源として摂取する物質
という自然加工物なわけです。
食物摂取の重要性は、わしらの収入に占める食費割合(エンゲル係数)にも表れておるのぅ。収入の20~25%がこれら食料の購入に充てられておるんじゃから、農業・牧畜業・漁業・加工業・卸売業・飲食店はやはり肝心な役割を果たしておるのぅ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 約100万年前加熱調理のはじまり食材を火に直接かけたり、焼石で間接的に加熱する調理が行なわれる
- 約3万年前パン製造の痕跡すりつぶした植物の根を、水に混ぜて焼き上げた、一種のパンがつくられる
- 紀元前23,000年前頃農業の興りイスラエル・ガリラヤ湖畔で、農耕の痕跡(各種の麦)が発見される
- 紀元前10,000年前頃稲作の興り中国・長江流域で、稲作を中心とする農耕の痕跡が発見される
- 紀元前5,000年前頃牧畜の興り古代エジプトで、牧畜が行なわれる
- 1947年食品添加物の法的定義日本の食品衛生法で、食品添加物が「食品の製造の過程において又は加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義される
<参考文献>(2019/12/13 visited)