この用語のポイント
簡単にいうと…
ペルティエ素子とは
電流を流すと、熱も移動して片面が冷たくなる、板状の電子部品
という技術要素です。
”ペルティエ”というのは、この原理を発見したフランスの物理学者ジャン=シャルル・ペルティエにちなんでいます。
「ペルチェ素子」「サーモ・モジュール」とも呼ばれます。
熱と電気を関係づける現象を利用した電子部品(熱電素子)の一種です。
詳しくいうと…
ペルティエ素子は、だいたい数cm四方の板です。電子回路に接続して用いられます。
左図は断面図です。2種類の半導体素子があります(N型は電子x1個がつねに余っており、逆にP型は電子x1個がつねに不足している素子)。
上下から金属板に挟まれ、これら全体が電子回路に接続されています。
このペルティエ素子を通電すると、電子など(キャリア)が上下の金属板を登ったり下がったりします。
(電子回路では一般に、電流の向きと電子の流れは逆方向をとります)
おおまかにいうと、このとき上部の金属板へ登る電子は、必要なエネルギーを熱エネルギーとして周囲から吸収します(吸熱)。
他方、下部の金属板へ降りるときは、余剰エネルギーを熱エネルギーとして周囲へ放出します(放熱)。
素子内のこうした特異な振る舞いにより、ペルティエ素子の片面は低温に、もう片面は高温になるのです。
これは、熱が片方からもう片方へ移動するという、ポンプの作用をペルティエ素子に与えています。
以上のようにペルティエ素子は、その片面で吸熱しながら低温状態を保つことで、パソコンCPU冷却部品やワインクーラーなどの小型冷蔵庫の一部に利用されています。
他の冷却器と比べ、小型で静音性が高く、湿気の移動を伴わないというメリットがあります。その分、冷却に要する電力の効率はあまり高くありません。
さらに知りたいなら…
まり…
ペルティエ素子とは
電流を流すと、熱も移動して片面が冷たくなる、板状の電子部品
という技術要素なわけです。
熱は電子などが震える運動に由来しておるが、電流を流して電子を運動させ、かつそこに何か仕組みを働かせてあげれば、こうした熱移動が可能になるというわけかのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1834年ペルティエ効果の観察フランスの物理学者ジャン=シャルル・ペルティエが、異なる2種類の金属に電流を流すと熱も輸送する現象を観察する。
<参考文献>(2019/03/17 visited)