この用語のポイント
簡単にいうと…
ディーゼルエンジンとは
ガソリンエンジンのように火花を散らすのではなく、気体燃料を圧縮空気へ直接噴射することで着火させる
技術個体です。
詳しくいうと…
ガソリンエンジンの場合、シリンダー内部での着火のために、点火プラグによるスパークを利用します。
このとき、点火に供される圧縮気体は、気化燃料と外気との混合気体です。
他方、ディーゼルエンジンでは、点火プラグではなく
インジェクタを用います。
ディーゼルエンジンの場合、圧縮気体は外気だけです。
ガソリンエンジンが吸気弁の手前でインジェクタから燃料を噴霧していたのに対して、
ディーゼルエンジンは直接シリンダー内部で噴霧します。
このとき、シリンダー内部の圧縮空気はだいたい600℃の熱さです。
その熱々の圧縮空気内に、軽油などの気化燃料を噴霧してあげることで
一気に点火、燃焼します。
また、ディーゼルエンジンはシリンダーのサイズアップに制限がなく、大型化が容易のため、たとえば大型船舶などでよく用いられています。
そのほかの、サイクルにかんする特徴はガソリンエンジンとおおよそ同じですので
詳しくは下記ガソリンエンジンの用語記事を参照ください:
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つまり…
ディーゼルエンジンとは
点火プラグの要らないレシプロエンジンな
技術個体ということです。
ディーゼルエンジンは、基本的に大型低速に向いているから、大型の船舶などにも搭載されておるんじゃの。
歴史のツボっぽくいうと…
1891年 イギリスの発明家アクロイドが
加圧式燃料噴射装置を使った内燃機関(焼玉エンジン)を製造する。
1892年 ドイツのルドルフ・ディーゼルが
アクロイドのエンジンを発展させた特許を取得する。
1903年 ロシアの造船所で
ディーゼルのエンジンを搭載した石油タンカーが製造される。
1922年 ドイツのベンツ社がディーゼルエンジン搭載のトラクターを製造する。
1933年 フランスのシトロエン車がディーゼルエンジン搭載の乗用車を製造する。
<参考文献>