この用語のポイント
簡単にいうと…
プロペラとは
推進力を生み出す回転翼
という技術要素です。
なおプロペラ(propeller)という語は「推進する(propel)」という英語の動詞と関連しています。
ここでは、飛行機やヘリコプタのプロペラについてみてゆきます。
詳しくいうと…
航空機のうち、プロペラ機やヘリコプタでは、顔や頭部分のプロペラがくるくる回っています。
エンジンから得られる運動エネルギーを利用してプロペラを回し、この回転により空中で前進したり浮上したりできます。
構造
プロペラは、次の部分から構成されています:
・ブレード
…翼です。
・ハブ
…エンジンシャフト(軸)と翼の接続部です。
・スピナ
…ハブの覆いです(左図では透明です)。
仕組み(飛行機の場合)
プロペラ飛行機でプロペラが推力(推進力)を生む仕組みには、2つの観点があります:
①後方へ流れる高速空気流の反作用
まず、プロペラは、機体前方から飛行中にやって来る空気流を取り込んで、後方へ高速で流す機能があります。
この後方への運動とは逆向きに、反作用の力で前方への運動が生じ、機体が前進できます。
②ブレード側面の圧力差による揚力
先ほどの反作用の力とは別に、プロペラには揚力も働いています。
ブレードの回転により、ブレード両側面に空気の高圧部分/低圧部分がそれぞれ生じます。
この高圧部分の力で、ブレードに対して機体前方へ向かう揚力が生じ、機体全体を推進します。
上記の①反作用の力や②揚力によって、プロペラは飛行機を前進させています。
仕組み(ヘリコプタの場合)
ヘリコプタのプロペラは水平方向に設置されており、主に以下2つの力が働きます。
①揚力
先ほどの飛行機の例と同様、ブレード両側面に生じる空気の圧力差によって、上向きの揚力が生じます。
②風圧
ブレードは向かい風に対してやや上向いており、やって来た風がブレード下部にあたって下方向へ受け流されます。この際の風圧によっても上向きの力が働きます。
上記2つの力によって、ヘリコプタは上空へ浮上することができています。
さらに知りたいなら…
飛行機のしくみ パーフェクト辞典(2015年)
(←画像クリックでAmazonサイトへ)
飛行機に興味のある方は、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか? 目次はこちらのサイトをご覧ください。
つまり…
プロペラとは
揚力や高速空気流などを利用して、推進力を生み出す回転翼
という技術要素です。
ヘリコプタのブレードが風圧を受けて上昇するというのは、あれかの、凧揚げのときの要領とおんなじかの?
歴史のツボっぽくいうと…
1865年 イギリスの物理学者ウィリアム・ランキンが
水を加速させる円盤としてプロペラを見なす運動量理論を提起する。
<参考文献>(2018/09/29 visited)