#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

音の技術

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簡単にいうと…

音の技術とは

 音を発生・収録・解析して有用な効果を得る

工夫のことです。

英語ではTechnology of soundと書きます。

詳しくいうと…

音に満ちた風景

いちど目を閉じ、自分の生活を満たす音のことを思い出してみましょう。

まず朝は目覚まし時計のキンキン音、ニュースを伝える声、踏切の警告音や車のエンジン音、オフィスではキーボードのカチャカチャいう音、どこからともなく夕方5時を知らせる町の音、料理する音、テレビの音、読書やベッドに入っていると耳に届く屋外の音や声。

それらの音声は、いずれも空気を満たす分子の振動です。目には見えませんが、風船を浮かべたらきっと微振動することでしょうし、そんな繊細な振動をキャッチしてくれるペンと紙がいたるところに浮いていたなら、それら振動を波形の痕跡として残してくれるでしょう。

楽器の歴史は楽器制作とその演奏方法(時代と文化のセンス)の歴史ですが、他方、音のテクノロジーの歴史はこうした、見えない振動を見えるようにするところからスタートしました。

ひとたび音の振動が紙や蝋の上で再現されると、今度はこの同じ振動が電気で表現されるようになります。電気は、減衰はするものの、距離の差を光速で飛び越えます。こうして19世紀に電話が登場し、ほぼリアルタイムで遠隔地同士のコミュニケーションが可能になりました。

以来、空気中の音声振動に匹敵せんとするほど多くの振動が、電柱上の電線や空気中の電波としていまも伝えられています。また水中では、超音波を用いるソナーが多くの漁船や戦艦に搭載されています。

現代において音は、もはや空気振動の特権ではなく、電気信号、電波、あるいは水中を伝わる振動の姿をとっているのです。

 

そうした音に関するホモ・サピエンスの工夫は、大きく分けて3つあります:

 

 ①音をいかに残すか?

  ⇒収録器の工夫

 ②音をいかに響かせるか?

  ⇒音響器の工夫

 ③音波でいかに見えないものを探るか?

  ⇒探音器の工夫

 

①~③の工夫について、一つひとつみてゆきましょう。

音響器

音響器とは、音を響かせるための装置です。

楽器はもとより、電気信号から音へ換えるスピーカーや音楽プレイヤーをはじめ、音の電気信号を生成する音源チップ、音を増幅させる補聴器、音を運動として用いる超音波洗浄機などがこのタイプです。

 

収録器

収録器とは、音を収集・記録するための装置です。

音を電気信号へ換えるマイクをはじめ、CDやレコードなどの記録媒体、それらを内蔵したボイスレコーダーなどがあります。

 

 

探音器

探音器とは、受け取った音波を解析してその性質を調べるための装置です。

超音波の反射によって対象との距離や画像を生成するソナーや超音波検査機、あるいは音紋を表示・処理する音声解析ソフトなどがあります。

 

 

 

・音の技術とは、音を発生・収録・解析して有用な効果を得る工夫のことだよ
・音響器は音の変換・増幅・運動を、収録器は音の収集・記録を、そして探音器は音の解析をそれぞれ行なうよ
・これらの工夫は、ホモ・サピエンスが行なってきた音声コミュニケーションの空間的・時間的制約を超えさせつつあるよ
 

さらに知りたいなら…

PA入門(2012年)
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不特定多数への拡声(PA:Public Address)技術について、音や電気的性質の基礎にはじまり、音響機器全般、ケーブルや端子の種類、そしてPA業務の仕事内容など、音響について幅広く解説する1冊です。

比較的まとまった内容なので、音響についてしっかり学びはじめたい方向けにおススメです。

絵とき 超音波技術 基礎のきそ(2007年)
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超音波を応用する幅広い技術(超音波検査機、超音波洗浄機、ソナーなど)をわかりやすいイラストつきで紹介する1冊です。

超音波という現象の基礎についても解説されているので、超音波技術の全般を一通り概観したい方向けです。

 

つまり…

音の技術とは

 音を発生・収録・解析して有用な効果を得る

工夫なわけです。

 

幼稚園の頃に糸電話を使って遊んだことがあるんじゃが、あれは驚くほどよく聞こえたぞぃ。空気の振動を別媒体の振動へと変換したり再生したりする現代の音声技術は、糸電話の系譜に連なるんじゃろうか?

 

それならわしも、これから携帯電話でしゃべるときは、糸電話のことを思い出すようにしようぞ。なんだか愉快そうじゃろう?

 

歴史のツボっぽくいうと…

【音響器】

  • 1875年
    電話の特許
    スコットランド生まれの発明家アレクサンダー・グラハム・ベルが、空気を媒体にして音声を電気信号へ、電気信号を空気へ変換する、ダイナミック型マイク/スピーカーを用いた電話の特許を申請する。

  • 1950年代
    超音波洗浄機の開発
    超音波洗浄機が開発され、1970年代には安価な家電製品として販売される。

  • 1980年代
    コンピュータへのPSG音源の採用
    初期のパソコンやアーケードゲーム、携帯用ゲーム機にPSG音源チップが搭載される。以降、CPUが直接スピーカーに信号を送っていた(ビープ音のような)従来の方式から、音源チップによる音声再生が一般化する。

  • 1980年代
    ポピュラー音楽でのFM音源の採用
    スタンフォード大学で開発されたFM音源を日本の日本楽器製造(現 ヤマハ)がライセンスを受け実用化し、ポピュラー音楽をはじめ、パソコンやゲーム機、携帯電話などに広く利用されはじめる。

  • 1980年代
    PCM音源搭載のシンセサイザー登場
    PCM音源搭載のシンセサイザーが世界各地で開発される。

  • 1990年代
    家庭用ゲーム機へのPCM音源搭載
    日本でスーパーファミコンやプレイステーションなどの家庭用ゲーム機などにPCM音源が搭載される。

 

【収録器】

  • 1857年
    フォノトグラフの発明
    フランスの技術者エドワール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィルが、音声の波形図を紙上で描くフォノトグラフを発明する。

  • 1875年
    電話の特許
    スコットランド生まれの発明家アレクサンダー・グラハム・ベルが、空気を媒体にして音声を電気信号へ変換する、ダイナミック型マイクを用いた電話の特許を申請する。

  • 1876年
    水媒体のマイクの特許
    アメリカの発明家イライシャ・グレイが、水を媒体にして音声を電気信号へ変換する装置の特許を申請する。

  • 1877年
    カーボン型マイクの発明
    アメリカの発明家トーマス・エジソンが、通電させた炭素板に加える圧力を変化させると電気抵抗値が変化することを発見し、カーボン型マイクを発明する。

 

【探音器】

  • 1880年
    圧電効果の発見
    フランスの物理学者ピエール・キュリーが圧電効果を発見。電気信号から振動を生み出す手法が可能となる。

  • 1940年
    超音波検査機の発明
    アメリカの物理学者フロイド・ファイアーストーンが初の超音波検査機を発明する。

  • 1941年
    脳のスキャニング
    オーストリアの神経学者カール・テオ・ドュシークらが、超音波検査機を用いて初めて人体(脳)のスキャニングを行なう。

  • 1940年代
    医療への応用
    アメリカの医者ジョージ・ルードヴィヒが超音波検査機を医療用へ初めて適用する。

 

 

<参考文献>(2019/08/16 visited)

音 - Wikipedia

 

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