#2020/09/17 縦割りが生じるくらい、『行政機関』はたくさん分かれていたりします。

ガソリンエンジン

技術要素
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この用語のポイント

・内燃機関(レシプロエンジン)の一種だよ
・吸入空気と燃料の混ざった気体に、火花を散らせて発火させるよ
・この燃焼の勢いで、ピストンやシャフト(回転軸)への運動エネルギーを継続的に生み出す機構だよ
・この化学エネルギー(燃料)→熱エネルギー(燃焼)→運動エネルギーへの変換機構は、主に乗り物を駆動させるのに利用されるよ

簡単にいうと…

ガソリンエンジンとは

 気化した燃料と空気を機構内部で混ぜ、着火させることで得た燃焼の勢いで、運動エネルギーを直接的・継続的に取り出す

技術個体です。

詳しくいうと…

コンビニのパンを電子レンジで温めると、袋がぱんぱんに膨らみます。

これは気体分子が熱エネルギーを加えられ、袋内部で活発に運動するため起こります。

ガソリンエンジンも、このような熱→膨張→運動を何度も何度も繰り返しています。

 

ではさっそく、自動車に搭載されたガソリンエンジンを始動させて、その様子を見てゆきましょう。

⓪始動

車に乗り込み、鍵を回します。

セルモーターという小型の駆動機械が、バッテリー電源を利用してクランクシャフト(回転軸)を一生懸命回転させます。

クランクシャフトが回転することで

それと連接しているピストンも、上下に動き始めたようです。

クランクシャフトとは、ピストンと連接されたエンジンの主軸です。上図はウソで、ほんとはこんな凹凸形状をしています↓

       (ピストン)(ピストン)
         |    |
(セルモーター)_| ̄|_| ̄|_…  ←この凸凹横棒がクランクシャフト!

なおcrankは「風変わりなひと」、shaftは「機械の回転軸」です。
以下、シャフト(回転軸)と呼びます。

①吸気

シャフト(回転軸)が回ると、まず、ピストンの位置が下がります。

このタイミングで、図の右上にある吸気弁がちょっとずれて、

外部の空気がエンジン内部へと入り込んできました。

このとき、燃料(ガソリン)も、気化された状態で空気と一緒に入ってきます。

吸入空気の中へ燃料を混ぜる部品はインジェクタと呼ばれます。図右上の?マークの部品です。

この段階で、シリンダー(ピストンが往復運動する筒)内部はいつでも引火される結構危ない環境になりますが、厚く覆われているので安心です。

②圧縮

シャフト(回転軸)の回転運動はまだ終わっていません。

さらに回り続けて、次にピストンは持ち上がります。

 

このシリンダー内部は密封状態のため、ピストンが下から迫ってきても、空気-燃料の混合気体に逃げ場はありません。どんどん体積が圧縮されてゆきます。

ついにこのタイミングで、点火プラグ(図中の?マーク部品)が電流を流し、火花を散らせます。

 

③燃焼/膨張

燃料の充満した気体中で散らされた火花は、またたく間に燃え広がります。

冒頭で触れたように、物質は熱くなるとその体積を膨張させます。

この膨張する運動エネルギーをまともに受けたピストンは、たまらず下部へと押し戻されます。この動きに連動して、シャフト(回転軸)も回ります。

さて、これまでは、セルモーターの頑張りのおかげでシャフト(回転軸)が回り、ピストンが上下運動していました。

ですがこの燃焼と膨張運動のタイミングで、はじめてガソリンエンジンは、自発的に運動エネルギーを生み出すことになります。みずからシャフト(回転軸)を回すのです。

 

④排気

シャフト(回転軸)の回転はまだ終わりません。というより、終わらせてもらえません。

さらに回ると、ピストンがまた上部へと押し上がります。

このとき、ちょうど左上の排気弁がずれて、シリンダー内部に溜まっていた燃焼後の気体が排気孔に逃げ場を求めて出てゆきます。自動車の排気筒から出てる白い煙の正体です(燃焼後なので、二酸化炭素などがいっぱいです)。

排気弁や、先ほどの吸気弁がタイミングよくずれてくれるのは、これら弁の根本がカムシャフトという、卵のように凸部のある回転部品に連接しているためです。

ピストンとつながっているクランクシャフトが2回転するあいだ、このカムシャフトが1回転して、弁の位置をタイミングよくずらしてくれます。

ピストンがシリンダー内部で一番上まで持ち上がった地点は「上死点」、逆に、一番下まで下がった地点は「下死点」と呼ばれます。

 

止まらないピストン

以上が、レシプロエンジンの1サイクル―吸気→圧縮→燃焼・膨張→排気―です。

最後の排気後も、シャフト(回転軸)はそのままの力で回り続けることになるため、

この1サイクルが何度も何度も繰り返され、車のタイヤを回す力がつねに取り出され続けます。

「つねに運動エネルギーが取り出されてるなら、車のタイヤもずっと回り続けるの? それじゃあ車は暴走しちゃうじゃん!」と思った方へ。

ブレーキペダルを踏むと、このエンジンにつながるシャフト(回転軸)と、タイヤとの間に、隙間が生まれます。つまり、ブレーキを踏んでいる間中、エンジンのこの運動エネルギーはカラカラと空回りすることになり、車は暴走しないのでご安心ください。

あとは、セルモーターの助けを借りなくとも、シャフト(回転軸)は回り続け、燃焼は何度も繰り返され、ピストンは何度も上下運動を行ないます。外部の補助に頼らない、エンジン内部の自発的なサイクルに入るわけです。

たとえばコマは、最初に手で回してあげても、そのうち失速しますが、その回転するコマに、定期的に回す力が加え続けられ、コマがずっと回り続けるイメージです。つまり、止まりません。

反復になりますが、なぜ止まらないかというと、回転する過程のなかに、回転を維持する工程が含まれているためです。

シャフト(回転軸)が1回転するのに0~360度の全角度を踏破して、それをこれまでの4つの行程に分割してまとめてみると…

 0~180度(1回目)の過程:吸気

180~360度(1回目)の過程:圧縮

 0~180度(2回目)の過程:燃焼・膨張 ←ピストンに上下運動を加えている行程

180~360度(2回目)の過程:排気

…はい、上から三つ目の過程で、ピストンが動かされているので、ピストンに連動しているシャフト(回転軸)も回り続けるわけです。そしてシャフトも回り続けるから、ピストンの上下運動も止まらず、吸気に始まる次のサイクルを延々と繰り返し、延々と運動エネルギーをシャフトへ伝え続けます。

 

工夫に富んだ、よくできた仕組みですよね。

 

・ガソリンエンジンは、所定の行程(代表的なのは①吸気→②圧縮→③燃焼・膨張→④排気の4ストローク型)を繰り返し続けるよ
・このサイクル内のうち、③燃焼・膨張の行程で、点火プラグの着火により化学エネルギー(燃料)→熱エネルギーを、そして熱膨張により熱エネルギー→運動エネルギーを変換し、最終的に(たとえば)車のタイヤ回転運動まで運動を伝える

・また、このときピストンがシャフトで生み出す回転運動は、そのままピストン自身を上下運動させる起動力にもなる。なので①~④の行程は失速なく繰り返し続ける

・この自動的に反復し続けるサイクル自体が、工夫に富む、よくできた仕組みです
 

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自動車エンジンについて、その種類(ガソリンエンジン・ロータリーエンジンディーゼルエンジンなど)や構造、パーツ(ピストン/シリンダー、点火プラグ、クランクシャフトなど)など幅広くイラストつきで学べる1冊です。

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リンク先カスタマーレビューの動画を見ると、火をかざしてものすごい勢いで稼働していますね。大迫力!

 

つまり…

ガソリンエンジンとは

 反復し続ける吸気→圧縮→燃焼・膨張→排気→…のサイクルにより、ピストンの上下運動、シャフトの回転運動(それによるピストンの再上下運動)を生み出しつづける

技術個体ということです。

 

金属製のピストンを動かすほどの燃焼、と言われてもピンとこんが、Youtubeでその迫力をみると納得してしまうわい!

「エンジンの燃焼実験 第四弾」のスローモーション映像

歴史のツボっぽくいうと…

1509年 イタリアのレオナルド・ダ・ヴィンチが無圧縮式内燃機関を構想する。

1673年 オランダのホイヘンスが無圧縮式内燃機関を構想する。

17世紀 イギリスの発明家モーランドが、火薬を用いた送水ポンプを駆動させる

    初の原始的な内燃機関を発明する。

1879年 ドイツのカール・ベンツが、4ストローク機関を設計し、

    これを動力とした自動車を製造する。

 

<参考文献>(2018/08/31 visited)

レシプロエンジン
サーモスタット
セルモーター - Wikipedia
カムシャフト
死点 - Wikipedia
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