この用語のポイント
簡単にいうと…
直流モーターとは
直流電流を入力して、運動エネルギーを得る電気モーター
という技術個体の総称です。
整流子と呼ばれるパーツを用いる整流子モーターや、整流子は用いず制御回路で電流・磁界を制御する無整流子モーター(ブラシレスDCモーター)などの種類があります。
詳しくいうと…
直流モーターは、他の電気モーター同様、電気を与えることで回転運動エネルギーを得る仕組みです。
そのクルクル回る回転運動によって、電車・自動車のタイヤを回したり、エレベーターの箱を巻き上げたり、PCの冷却ファンを回したり、現代生活に必要ないろんな運動を供給しています。
まずは、この直流モーターに入力されるという、直流電流という電気についておさらいしてみましょう。
直流電流って?
直流電流(Direct Current:DC)は、交流(AC)とは異なり、その電流の向きがつねに一定方向に向けて放たれるタイプの電気です。
左図では、その電流・電圧が、方向(+)の側に留まっており、向きが一定であることがわかります。また、その大きさもだいたい一定です。
交流と直流の送電図
発電所~家庭・職場までに送配電される、電流タイプのちがいを下図にて示します。
基本的には、
のように交流にて送配電されます。
使用場所によっては
のように直流で動かしたり、あるいは
のように交流/直流を切り替える機構が介在することも多々あります。
直流モーターの種類
電気には直流と交流があり、直流についてはその電流の向きが一定であることを学びました。
つぎに、この直流電流を受けて運動を起こす、直流モーターの種類についてみてゆきましょう。下記2つのタイプに大別されます。
・整流子モーター
・無整流子モーター(ブラシレスDCモーター)
整流子モーター
整流子モーターは、永久磁石(右図の両端)に挟まれた電磁石(右図の中央)の回転子に、直流電流が通されて、発生した磁極の吸引・反発によってくるくる回る直流モーターです。
整流子(右図の中央オレンジ部分)と呼ばれる、電磁石に流れる電流の向きを反転(転流)させてN極/S極を入れ替えるパーツが重要な役割を果たすことから、この名前がつきました。
詳細は以下記事をご参照ください:
無整流子モーター
無整流子モーター(ブラシレスDCモーター)の回転子がくるくる回る仕組みは、先ほどの整流子モーターと同様、永久磁石(右図の中央)と電磁石(右図の周縁)との間の磁極同士の吸引・反発です。
ただしこちらは、電磁石のN極/S極を切り替えるために、整流子ではなく、制御回路を用いています。
詳細は以下記事をご参照ください:
以上のように、直流モーターは、電流の向き・大きさが一定の直流電流を入力して、磁極間(N極/S極)の吸引・反発を利用して回転運動エネルギーを得ることができ、今日もわたしたちの乗る電車やエレベーターなど、多岐にわたってわたしたちの生活を支えているのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
直流モーターとは
直流電流を入力して、永久磁石―電磁石間の磁極同士の吸引・反発によって回転運動エネルギーを得る電気モーター
という技術個体の総称なわけです。
つまり、直流電流ってのは、わしたちが通常思い描く電流のイメージそのままということでよいかな? 癖のなさそうな電流じゃな。
とはいえ、その電圧が変化させにくいから、発電所からの配送電には直流ではなく交流が使われておるんじゃろうが。
歴史のツボっぽくいうと…
1832年 イギリスの科学者ウィリアム・スタージャンが、
整流子式直流モーターを発明する。
1970年代以降 半導体技術の発展により、
電子制御によるブラシレスDCモーターが開発される。
<参考文献>(2018/12/23 visited)