この用語のポイント
簡単にいうと…
電子レンジとは
電磁波の照射により、食品内の水分子を振動・加熱させる
技術個体です。
詳しくいうと…
いまではどこの家庭にもある電子レンジ。
販売され始めた1950~70年代には、「手作り料理が電磁波加熱に取って代わられる」ことに困惑が広がったようですが、現在ではすっかりお馴染みになりました。
その構造と仕組みについて、みてゆきます。
構造と仕組み
左図は、電子レンジの内部図です。
電源コードが変圧器へつながり、さらにマグネトロン(磁電管、真空管の一種)に続いています。
動作としては、まずコンセントからの電流が、変圧器により高圧化されます(100V/200V→約2000V~4000V)。
この高圧電流が、続くマグネトロンに供給されると、いろいろな過程を経て、上部のアンテナから電磁波(マイクロ波)が照射されます。
マグネトロンから発されるこのマイクロ波が、導波管と呼ばれる管を経由して、テーブル上の食品へと降り注ぎます。
電子レンジのマイクロ波の周波数は、おおむね2.45GHzです。
電磁波は一般に、周波数に応じてそれが発する電場・磁場が周期的に反転します。
なのでこのマイクロ波は、1秒間に24億5000万回、その電磁場を変化させています。
食品内の水分子は、+極/-極を有しており、この電磁場の変化に応じて、あっちへこっちへ振り回されます。
何億何兆もの水分子がこのように掻き乱されることで、分子同士の摩擦熱が生じます。
マイクロ波が水分子に対して起こすこの摩擦熱により、電子レンジ内の食品は、こうして無事に温まったようです。
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個々の製品は詳しくないですが、「概要だけでもいいから家電のことを幅広く知りたい!」という方向けです。
つまり…
電子レンジとは
電磁波の照射により、食品内の水分子を1秒間に24億5000万回ほど振動させて、摩擦熱により加熱する
技術個体なわけです。
電子レンジが発明されなかったら、コンビニ弁当などのテイクアウト産業や、冷凍食品産業は生まれなかったじゃろうなあ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 1945年電子レンジの発明
アメリカの軍需メーカー、レイセオン社の技術者パーシー・スペンサーが
マグネトロンを利用した電子レンジを発明、特許を取得する。
- 1947年電子レンジの発売レイセオン社が電子レンジを一般販売する。当時は高さ1.8m、重さ340kg、消費電力3000W。他社メーカーもこれに参入。
- 1959年日本で国産電子レンジ開発東京芝浦電気(現東芝)が電子レンジを開発する。
- 1975~76年批判的まなざし
雑誌『暮らしの手帳』が特集「電子レンジ―この奇妙にして愚劣なる商品」を掲載、酷評する。
- 1970年電子レンジ搭載自販機日本万国博覧会の周辺で、電子レンジを搭載したハンバーガー自動販売機が登場、話題を集める。
<参考文献>(2019/03/10 visited)